雑穀米は健康食として西暦2000年を過ぎたあたりから日本でブームが起きたことを皆さんも覚えているのではないのでしょうか。
雑穀米はそれぞれの穀物が持つ独特の歯ごたえ、白飯とは違った甘みや旨味が感じられ、健康やダイエットのためにと健康志向が高まる今でも多くの人に愛されています。
主食である白飯やパンは食べ過ぎると太りやすいイメージがありますが、雑穀米の糖質やカロリーは健康やダイエットを考える人に効果をもたらすものなのでしょうか。
そこで今回は『雑穀米を食べ過ぎてもダイエットに効果はあるの?糖質やカロリーはどうなの?』をテーマに紹介していきます。
雑穀って何?
主穀である米、小麦、大麦を除いた穀類と疑似穀類を指し、ヒエ、アワ、キビ、エンバク、ソバ、キヌア、アマランサスなど多くの種類があります。
遠い昔の紀元前7000年前には中国でアワやキビが育てられていた記録があり、食生活を支える重要な穀物であったとされます。
日本でもコメが増産される昭和期までは雑穀が重要な主食穀物となっていて、以後は消費も栽培もすたれることとなります。
食用として食べられることは激減し、家畜やペットのエサとしての利用が多かったのですが、栄養価が高いことが注目され健康食として再びブームを迎えることとなります。
五穀米、十穀米、十六穀米とさまざまなブレンドをされていますが、多いものでは三十穀米というものもあり人気を集めています。
雑穀米の糖質やカロリーは?
ダイエットに効果があるのかが気になりますが、先に雑穀米の糖質とカロリーを紹介します。
白飯と雑穀米を比べて見ていきます。
白飯100gあたりの糖質は36.8g、カロリーは168kcalで、茶碗一杯あたりの糖質は58.9g、カロリーは267kcalとなっています。
雑穀米に含まれる穀物によって数値の変動はありますが、100gあたりの糖質は約30g、カロリーは168kcalで、茶碗一杯あたりの糖質は約48g、カロリーは261kcalとなっています。
カロリーにあまり違いはないものの、糖質は雑穀米の方が少なくダイエットのカギとなりそうですね。
雑穀米は食べ過ぎてもダイエット効果はある?
雑穀米は白飯に比べて糖質が少ないことがわかりましたが、カロリーに大差はないので食べ過ぎると太ってしまいます。
カロリーの摂り過ぎは肥満、動脈硬化や高血圧、さらに心疾患や脳血管疾患、腎臓病の原因ともなりかねません。
しかし、白米よりも栄養価の高い雑穀米はダイエットには嬉しい味方になるのです。
雑穀米がダイエットに向いているワケは?
お茶碗一杯で栄養素がたっぷり
まず、先程も述べていますが雑穀米にはいろいろな栄養素が豊富に含まれていて、それをまとめて摂ることができるのがダイエットにとって大きな利点です。
雑穀米に含まれる栄養素は主にパントテン酸やビタミンB群などのビタミン類、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラル、ポリフェノールがあげられます。
ビタミン、ミネラル、ポリフェノールがまとめて摂取できることで抗酸化作用や代謝アップなどさまざまな効果を得ることができ、ダイエットをしたい人だけではなく健康を考える人にもおすすめできます。
食物繊維を含む雑穀が多い
雑穀米に含まれる穀物には食物繊維を豊富に含む種類のものが多く、便秘の解消や腸内環境の改善がダイエットにも役立つ働きである代謝を向上させてくれます。
また、食後血糖値の急激な上昇を防ぐ働き、胆汁酸やコレステロールを吸着して体外へ排出する働きもあるので生活習慣病の予防にも摂っておきたい栄養素です。
ダイエットに嬉しい、腹持ち長続き
雑穀米は白飯と比べると粒が大きいものであったり、固い粒であったりと自然と咀嚼回数が増えます。
咀嚼回数が増えるとしっかり食べた気分になるだけではなく、満腹中枢が刺激され満腹感を感じることができます。
雑穀に多く含まれる食物繊維が胃の中で膨らむことでも満腹感を得ることができ、胃の中で長く留まるので腹持ちも長続きします。
GI値が低い
雑穀米と白飯のGI値を比べると低いこともダイエットには嬉しい要素となります。
GI値とはグリセミック・インデックスの略で食後血糖値の上昇度を表す数値です。
GI値の低い食品を選んで食べることで食後血糖値の急な上昇を防ぐことができ、インスリンの分泌も減少します。
これは老化の予防や脂肪を蓄積しづらい体を作ることにつながります。
GI値の基準は高GI:70以上、中GI:56-69、低GI:55以下です。
それぞれのGI値は雑穀米が55、白飯が84となっていて、雑穀米が低GI食品で血糖値の急な上昇を抑えることがわかります。
主な雑穀の特徴
雑穀にもさまざまな種類がありますが、主な雑穀の特徴を見ていきましょう。
古くから健康食として食べられていますが、近年ではコンビニなどで売られているおにぎりにももち性オオムギが混ぜてあるものもあり、人気の商品でもあります。
水溶性食物繊維(β-グルカン)を多く含んでいます。
コクと甘み、少し苦みも感じる雑穀です。
冷めてももちもちとした食感を楽しめ、お弁当やおにぎりに最適です。
ビタミンB1・B6、ナイアシン、亜鉛、ポリフェノールを多く含んでいます。
クセのない甘みは食べやすいとされていて、独特のもっちりとした食感が魅力です。
表面の色素はポリフェノール、ビタミンB群を含んでいて、中でもパントテン酸が雑穀の中では豊富に含まれています。
他にも鉄、ミネラル、食物繊維も多く含まれています。
味にクセはないのですが、粘りがなくパサパサとした食感は喉につかえやすいとされています。
ヒエに含まれているタンパク質の特徴として善玉コレステロール値を高める作用があり、ミネラルを豊富に含み、ビタミンB群も含まれています。
弾力性のある噛みごたえが特徴ですが、モロコシ単体の多量摂取はカロリーが高くなってしまうので注意が必要です。
ビタミンB群とミネラルを豊富に含み、中でもモリブデンと銅を多く含む他、ポリフェノールのも含まれています。
中国では古くから漢方などとして利用されていて、ふっくらとした粒は硬めの歯ごたえで甘みがあるのが特徴です。
近年では日本でも漢方名ヨクイニンとしてよく見かけるようになりました。
美肌効果、新陳代謝の促進、利尿作用、解毒作用があります。
穀物ではあまり摂ることのできない必須アミノ酸であるリシン、メチオニン、イソロイシンなどを多く含んでいます。
ミネラルであるマグネシウム、リン、鉄、亜鉛を多く含み、ビタミンB群の中では葉酸が緑黄色野菜と並ぶほど含んでいるのも特徴です。
プチプチとした心地よい食感ですが、独特の香りとえぐみ、濃い風味があるため、食べづらいと感じる人もいるかと思います。
リン、マンガン、モリブデン、鉄などのミネラルを多く含みます。
グルテンを含まないのでグルテンフリーダイエットに適しています。
雑穀米の食べ過ぎに関するまとめ
雑穀米のカロリーは白米と変わらず、食べ過ぎるとカロリーの摂り過ぎとなってしまいます。
糖質については雑穀米の方が低いだけではなく、さまざまな理由からダイエットに向きの食材となっています。
- 体に良い栄養素がたっぷり入っている
- 食物繊維が豊富であるため腸内環境が良くなる
- 満腹感が得られる
- GI値が低い
これらの要素はダイエットの強い味方となってくれます。
雑穀米に含まれる一部の穀物の特徴も見て見ましたが、健康に嬉しいものが多く含まれていることがわかりました。
雑穀米を食べて健康とダイエット成功の二つがつかめるといいですね。
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