アイスプラントの栄養や効能を知って食べ過ぎに注意しよう





皆さんは「アイスプラント」をご存知ですか?

それが食べ物なのか何なのかもわからない人も多いかと思います。

アイスプラントは多肉植物でシャキシャキとした歯ごたえがクセになり、ほんのり塩味がする食材でサラダやお浸しなどで食べるとおいしく食べることができます。

日本ではあまり馴染みがなく歴史も浅いアイスプラントですが、栄養や効能がどのようなものなのかを知ってもらいたいと思います。

合わせて食べ過ぎがどのような影響をもたらし、注意するべきことに何があげられるかも知っておきましょう。

今回は『アイスプラントの栄養や効果、食べ過ぎで注意することは?』をテーマに紹介します。

 

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そもそもアイスプラントって?

  • アイスプラントはこんな植物

冒頭でも少し述べましたが、サボテンのような多肉植物で葉にしずくのような霜のような透明のつぶつぶをつけた一見変わった植物です。

アイスプラントの原産はヨーロッパ、西アジア、アフリカで、乾燥に強く高塩濃度にも耐えることができる耐塩植物であり、海水ほどの塩分濃度の塩水での水耕栽培が可能な植物です。

栽培は簡単とされていますが、土耕栽培をした場合、地中に有害な重金属(カドミウムなど)が含まれていると一般的に栽培されている植物に比べ蓄積する特性があるので、注意が必要となります。

 

  • アイスプラントの味や歯ごたえは?

葉のつぶつぶは塩を隔離する細胞(塩嚢細胞)で表面が凍っているように見えることがアイスプラントと呼ばれる由来となっていますが、日本での商品名はソルトリーフ、プッチーナ、ツブリナ、ソルティーナなどで販売されていて、塩やプチプチとした歯ごたえを連想させる名称となっています。

見た目の鮮やかな緑色から想像する味とは違い、葉野菜特有の青臭さはなくほんのり塩味が特徴で、これは葉のつぶつぶ(塩嚢細胞)にナトリウムを含むミネラルが含まれていることにあります。

クセになるシャキシャキの歯ごたえは生食のサラダなどで食べるのがおすすめですが、さっと茹でてお浸しやマリネとして食べるのも歯ごたえが残りおいしく食べられ、食感は変わりますが天ぷらにして食べるのもおすすめです。

 

アイスプラントに含まれる栄養は?

アイスプラントがどのような食材かわかったところで栄養成分に何が含まれているのかを見ていきましょう。

 

ピニトール:血糖値を下げる

あまり聞きなれない栄養ですが、アイスプラント以外にはきな粉や豆乳などの大豆製品から摂ることができます。(納豆は加工段階でピニトールがほぼ消失するので注意)

ピニトールは植物性インスリン様物質と言われていて、アイスプラント、大豆などの植物由来の天然成分で血糖値を下げる作用があることからこのように呼ばれています。

本来体の中で、血液中のブドウ糖はグルコーストランスポーター(ブドウ糖を運搬する役目)によって筋肉組織へ届けられるのですが、インスリン感受性が低下している時(インスリンが十分な効果を発揮していない状態)にはグルコーストランスポーターが正常に作用しないので血糖値がなかなか下がりません。

ピニトールはグルコーストランスポーターの促進を図る作用があるので血糖値のコントロールに期待がされています。

また、肝臓の機能を高める作用があります。

ピニトールは肝臓で作られる抗酸化作用のあるグルタチオン(グルタミン酸、システイン、グリシンの3種類のアミノ酸から成る)の増加を進め、肝臓を保護し酸化から守ることで肝臓の健康を維持するのに役立っています。

更に近年では不妊の原因となる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)への効果が期待されていて、ピニトールを含むサプリメントが妊活している人を対象に作られています。

PCOSの原因がまだ明確になっていないのですが、PCOSの人は糖の代謝のためにインスリンが過剰分泌されてしまいます。

ピニトールは先にも述べたように血糖値を下げる作用があることで、摂取するとインスリンの過剰分泌は抑えることができ、ホルモンバランスが整うということから妊娠につながりやすいと考えられています。

 

ミオイノシトール:中性脂肪と内臓脂肪の抑制効果

ミオイノシトールはキャベツやレタスなどの他の葉野菜にはほとんど含まれません。

ミオイノシトールの働きとして脂肪を体内に蓄積することを防ぎ、脂肪の流れを促すという作用があり、肝臓への脂肪蓄積も防ぐことから抗脂肪肝ビタミンとも呼ばれています。

コレステロールを低下させる作用もあり、動脈硬化や動脈硬化が原因で発症する脳疾患、心疾患の予防にも期待ができます。

また、精神障害を緩和すると言う報告もされていて、一日18gの摂取でパニック障害、強迫性障害の症状が軽減、一日12gの摂取でうつ病の症状が改善したとの臨床結果も報告されています。(うつ病に関しては効果が識別できないとの見解もある)

更にピニトールと同じくミオイノシトールも不妊症への効果が期待されています。

 

β-カロテン:抗酸化作用で老化防止

β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、肌や髪の健康維持、鼻や喉などの粘膜を菌から守り健康を維持、目の粘膜を保護、目の網膜を良い状態に保つなど多くに働く重要な役割があります。

β-カロテンは老化や癌の原因となる活性酸素や過酸化脂質を抑制する抗酸化作用があり、老化防止やある種の癌のリスクを低減させるとも言われています。

また、免疫賦活作用(めんえきふかつさよう)があり、免疫力を上げ外敵、異物から体を守ろうとする働きがあります。

 

カリウム:ナトリウムの排出が血圧を下げる

カリウムにはナトリウムと作用しあって体内が一定した良い状態を保つことに役立っています。

ナトリウムは細胞外液に多く含まれていますが、カリウムの98%が細胞内に含まれていて、共に浸透圧を一定に保とうとする作用があります。(浸透圧:濃度を一定に保つ働き)

塩分過多で高血圧になるとは皆さん聞いたことがあると思います。

このとき体内では血液中のナトリウム濃度が高くなり、そこへ濃度を下げようと血液中に水分が摂り込まれます。

水分が多くなったことで血液量が増えてしまい、血管に圧力や負担がかかってしまうということが起きています。

カリウムには腎臓でナトリウムの再吸収を抑制する働きがあり、尿中(体外)への排出を促す作用があるので血圧を下げるということにつながります。

また、カリウムは神経の伝達作用、心臓や筋肉の働きの調節、老廃物の排除など大切な役割を担っています。

 

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アイスプラントを食べ過ぎても大丈夫?

良いところがたくさんあるアイスプラントですが食べ過ぎに注意することはあるのでしょうか。

 

カロリーはどれくらい?

アイスプラントのカロリーは100gあたり8kcalととても低く、食べ過ぎて太るなどといった心配はなさそうです。

参考までに普段よく食べる野菜のカロリーはほうれん草20kcal、ピーマン22kcal、キャベツ23kcal、ブロッコリー33kcalとなっています。(全て100gあたりのカロリー)

比べるとかなり低いことがわかります。

しかし、アイスプラントばかりを食べるということは栄養バランスが崩れます。

バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。

 

塩味だけど摂り過ぎてもいいの?

育つ環境や個体によって塩分量は変わると言われていますが、アイスプラントに含まれる塩分量は100gあたり0.6~1.0gでサラダやマリネなどで食べても体には影響のない塩分量となっています。

先程も述べましたが、塩分排出に働くカリウムも含まれています。

腎臓に障害があるなど医師からのカリウム摂取制限が特になければ普段の食事では塩分の摂り過ぎとなることはないでしょう。

 

食べ過ぎの症状ではないですが…注意

アイスプラントには酸味が感じられるものもあります。

食べても問題はないとされていますが、強い酸味には注意が必要です。

アイスプラントの栽培段階で塩水の濃度の高いものを多く与えすぎてしまうとストレスとなることがあります。

この葉を朝に収穫し食べると酸味が強く感じられて、軽い腹痛や下痢の症状が出ることがあります。

 

アイスプラントの食べ過ぎに関するまとめ

アイスプラントにはピニトール、ミオイノシトール、β-カロテン、カリウムなどの栄養成分が含まれていいます。

その効果は血糖値を下げる、肝機能を高める、中性脂肪の抑制、高血圧の予防など生活習慣病に期待ができ、抗酸化作用、免疫賦活作用もあることから体に良い様々な効果が得られます。

更に不妊症にも期待できるとされているので妊活中の人にも食べてもらいたい食材です。

カロリーや塩分量を見ても食べ過ぎて体に影響を与えるということはありませんでしたが、ストレスを受けたアイスプラントには強い酸味があり、軽い腹痛や下痢を引き起こすものもあるので注意が必要です。

まだ日本での歴史が浅いアイスプラントですが、体に良い栄養成分が含まれています。

是非食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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