セロリと言えば独特な香りが特徴的で、好き嫌いもはっきり分かれるところですが、好きな人にはその香りが癖になるようです。
他の野菜とは香りや味が独特なので体に良さそうな栄養効果が得られそうなイメージがありますよね。
しかし、セロリのその独特な味や香りの成分、また他に含まれる成分は摂り過ぎてもいいのでしょうか。
好きな人は食べ過ぎるくらい食べてしまうこともあるでしょう。
食べるなら体に害のないように食べたいですよね。
今回は『セロリの栄養効果と食べ過ぎで起きる影響』を紹介していきます。
セロリの栄養効果は?
セロリの香り成分
セロリには通常の栄養成分のほか、冒頭に述べた独特な香りがあることから40種類程の「香り成分」も含まれています。
セロリの香り成分にはアピイン、テルペン、ピラジン、アビオイル、セネリンなどが含まれ、これらの成分からも栄養効果が得られるとされています。
それぞれストレスを緩め、ストレスが原因で起こる頭痛、イライラ、不安状態の緩和や鎮静作用があります。
ピラジンは血流を改善する作用があることから動脈硬化などから起こる脳血管疾患や心疾患などの予防に期待ができます。
アビオイルも血流を改善する作用がある他、疲労回復、粘膜強化、胃の働きを正常にする作用があります。
また、セロリの香り成分はアロマオイルとしても使われていて、体(浄化作用)、心(リラックス)、肌(美白・むくみ)と、体の中からも外からもキレイになる効果に期待ができます。
セロリの栄養効果
セロリの約95%が水分で占められていて、カロリーも100gあたり15Kcalと低く、含まれる栄養効果もあり、美容やダイエットが気になる女性にもきっと役立ってくれることでしょう。
セロリにはカリウムやカルシウムなどのミネラル、ビタミンB群、ビタミンC、β-カロテンなどのビタミン、食物繊維など多くの栄養素が含まれています。
- 高血圧予防、むくみの予防・改善
セロリにはカリウムが多く含まれています。
100gあたり410㎎が含まれていて、同じく水分が多く生で食べられるトマトの210㎎、レタスの200㎎の約2倍ものカリウムが含まれていることがわかります。
塩分を摂り過ぎてしまうことで血圧が上がり、むくみが生じてしまうのですが、カリウムには体内の水分量とナトリウム量を調整する働きがあります。
カリウムの持つ利尿作用とナトリウムを排出する働きが高血圧とむくみの予防・改善に役立ちます。
- 胃の働きを正常化
セロリにはビタミンU、別名キャベジンと呼ばれる成分が含まれています。
キャベツから発見されたことからキャベジンと呼ばれています。
そのまま商品名にもなっているので皆さんも耳にしたことがあると思います。
その働きとは、胃酸過多の状態を胃酸の分泌量を調節し抑制することで、胃痛、胸やけ、吐き気、胃炎や胃潰瘍など胃のトラブルを予防することです。
既に胃にトラブルがある状態で摂取すると、胃粘膜の代謝を活発化させ傷付いた粘膜の修復に働きます。
また、消化管(胃や十二指腸など)潰瘍の回復能力を向上させることから治療目的として使用されることも多い傾向にあります。
更に肝臓の働きを助ける効果、肝臓の脂肪を減少させる働きがあるので肝機能障害の予防・改善にも役立ちます。
- 目や皮膚、粘膜の健康を保つ、免疫力を高める
β-カロテンという成分が含まれていて、体内でビタミンAが不足している場合にはビタミンAへと変換されます。(残りは蓄えるか、尿として排出する。)
ビタミンAに変換されたβ-カロテンは血液と共に全身へと運ばれます。
その働きは夜盲症や視力低下の予防・抑制、皮膚の代謝促進に働きβ-カロテンが抗酸化作用も持つことから肌を美しく保つことに役立ち、口腔内や内臓の粘膜を強くする働きもあるので、ウイルスの侵入を防ぎ粘膜を健康に保つことに効果的です。
また、子どもの成長に欠かせない栄養とも言われていて、強い骨作りや成長を促すことに役立ち、積極的に摂りたい栄養素です。
- 補酵素として代謝を助ける(効果:疲労回復、成長の促進、生活習慣病の予防など)
セロリにはビタミンB群が含まれています。
ビタミンB群の働きとして炭水化物やタンパク質、脂質(三大栄養素)の代謝に必要な酵素を補助します。(補酵素)
炭水化物は消化・分解されてエネルギーの元となるのですが、その過程でビタミンB1が必要となります。
不足することでエネルギーが十分作られなくなり、ピルビン酸や乳酸などの疲れの元が蓄積されてしまいます。
ビタミンB2は三大栄養素の消化・分解を助ける補酵素としての働きがあり、特に脂質の代謝に重要な働きをする他、タンパク質の合成をする働きもあります。
糖質や脂質の代謝を促す働きがあるのでダイエットや生活習慣病の予防にも役立ち、皮膚や爪だけではなく全身の成長を促す働きがあります。
ビタミンB6はタンパク質の代謝に関わっていて、吸収・分解後に私達の体に必要なタンパク質を再合成します。
タンパク質の代謝が促されることで強い歯や骨、髪や爪、皮膚や粘膜を作ることができ、成長にも役立つ栄養素となっています。
- 美しい肌作り
抗酸化作用のあるビタミンCとビタミンEが含まれています。
細胞の老化を防ぎ、活性酸素の除去の働きをすることから肌を健康に保つことに役立ちます。
ビタミンCは肌のハリ、潤いを保つ働き、メラニンの生成を抑制し、ビタミンEは血流改善に役立ちます。
先に紹介したピラジン、β-カロテンとの相乗効果で抗酸化作用は強くなり、肌の血行もよくなることからターンオーバーが促進されることに期待ができます。
セロリを食べ過ぎるとどんな影響が?
セロリは体を冷やす食べ物だと言われています。
食べ過ぎてしまうことで当然体は冷えますが、体だけではなく内臓も冷えてしまい、胃や腸の働きが低下してしまいます。
セロリの様々な効果を得たいと食べ過ぎてしまうと、消化不良から便秘や下痢、腹痛などの症状が出てしまうこともあります。
更に代謝が落ち、太りやすく痩せにくい体になり、病気につながっていく可能性もあるので冷えには注意が必要です。
体を温める食べ物、にんにくや生姜、たまねぎやにんじんなどと一緒に食べることをおすすめします。
また、先程セロリにはカリウムが多く含まれていると述べましたが、腎臓に障害のある人は摂取に制限が必要です。
通常カリウムは尿と一緒に排出されるものですが、腎臓に障害のある人はうまく排出できずに蓄積されて高カリウム血症を招いてしまいます。(高カリウム血症:嘔吐、痺れ、不整脈などの症状があり、心停止することもある。)
セロリの栄養効果と食べ過ぎについてのまとめ
セロリには独特の香りがありますが、その香り成分にリラックス作用や抗不安作用があり、アロマオイルにも使われ役立っていたとはあまり知られていなかったことだと思います。
更に香り成分の血流改善効果が他に含まれる成分ビタミンEとの相乗効果で生活習慣病の予防や肌を健康に保つ働きがあります。
他にもカリウムやビタミンB2が生活習慣病の予防に効果的だと言うこと、β-カロテン、ビタミンB6、ビタミンCも肌を健康に保つ働きがあることがわかりました。
ビタミンUには健胃作用がありますが、セロリの食べ過ぎで消化不良、下痢、便秘、腹痛を引き起こしてしまう可能性があります。
野菜だからダイエットにいい・・と食べ過ぎてしまうと代謝が悪くなり痩せづらくなってしまうこともあるので注意が必要です。
腎臓病の人はカリウムの排出がうまくできないこともありますので医師の指示のもと摂取することをおすすめします。
食べ過ぎることがなければ、体も心もお肌にも嬉しい食べ物なので積極的に摂ってキレイを目指しましょう。
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