ナスはさっぱりしていながらもアクが強いイメージがありますよね。
アクを抜かずに塩もみのみでとなった時には嫌な渋みや苦さが残っていたりして余してしまうことがありませんか?
しかし、炒めたり焼いたりするときにはアク抜きをしなくても渋みや苦みは感じられません。
正直なところ水に浸けても浮いてしまって、アクがうまく抜けているのかどうかもいまいちわかりませんが、アク抜きが必要か不要か、その際の栄養価の変化について調べていきましょう。
今回は『ナスのアク抜きは必要か不要か。栄養に影響はあるのか」についてご紹介します。
ナスのアクの正体は体に悪いもの?
ナスのアク、そもそもこの正体は一体何でしょうか?
渋みや苦みもあるので体に毒なんてことがないといいのですが、さっそく正体を見ていきましょう。
ナスのアクの正体はポリフェノールの一種であるクロロゲン酸という成分です。
ポリフェノールと言えば強い抗酸化作用があることで有名なのですが、クロロゲン酸が毒となることもあるのでしょうか?
渋みや苦みからついてしまったイメージがあるだけで、クロロゲン酸が毒となって体に影響が現れることはなく、健康を害すような悪いものではないので安心してください。
アクと呼ばれる口に残る渋みや苦み、これはクロロゲン酸の酸化によって起きているものです。
味の変化だけではなく、ナスを切ると切り口が空気にさらされ酸化が起きてしまいます。
クロロゲン酸の酸化は味に変化をもたらすだけではなく、切り口の赤茶色の変色にもつながります。
ナスのアク抜きは必要か不要か?
ナスのアク抜き、調理してしまえば気にならないことの方が多いかもしれませんが、実際にはした方がいいのか、しなくてもいいのかどちらなのでしょう。
先程も紹介しましたが、アクの正体はポリフェノールであるクロロゲン酸であり、体に悪影響が現れるということがありません。
ナスのアク抜きが必要か不要かということですが、渋みや苦みといった味や赤茶色の変色が気にならないようであればアク抜きが必要ということはないようです。
お客様へのおもてなしや特別な日の料理の見栄えや味をいいものにしたいということであればマナーとしてアク抜きはした方がいいかもしれませんね。
アク抜きをすると栄養に影響はあるの?
ナスのアク抜き、一般的によく知られている方法はボールなどに水を入れて切ったナスを浸けておくといった方法です。
他の方法はアクと一緒に余分な水分も抜く方法で、切ったナスの切り口に塩を振り、しばらく置いてキッチンペーパーなどで出てきた水分を拭き取ります。
アク抜きが栄養にどう関わってくるかということですが、水に浸けるアク抜きの場合、長い時間浸け過ぎてしまうと栄養素が減少してしまいます。
ナスに含まれる主な栄養はナスニン、カリウムが代表的なもので、ナスニンには強い抗酸化作用があり、体や肌のサビの原因となる活性酸素を除去する働きが強く、カリウムには細胞の浸透圧の調整や塩分を排出する働きがあることから血圧を下げる作用があります。
しかし、ナスニン、カリウムのどちらも水溶性であることから、アク抜きの時間が長過ぎるとこの栄養素まで水に溶け出し、減少してしまいます。
他に含まれる栄養素も少ないので、多く含まれる成分はできるだけ無くさないためにもアク抜きをする場合は10分以下とすることをおすすめします。
ナス料理を色よく仕上げるには?
先程料理の見た目について触れましたが、たまにはナス料理を色よく仕上げてみませんか?
煮物や炒め物など作る時に、よく見ると色があまりよくないこともありますよね。
そこで、色よく仕上げる方法を紹介していきます。
煮物を作る時にナスの色が抜けて湯の色が青色になってしまうことがありますよね。
実はその色抜けを抑える方法があるのです。
その方法はとても簡単で水200CCに対し大さじ1の酢を加えることです。
煮物の味に影響が現れるのでは・・と不安もありますが、酸味は熱で抜けてしまうので酸っぱく仕上がるということはありません。
煮物だけではなく、炒め物を作る時にも酸性の調味料を少々使うことでナスの色抜けを防ぎ、色よく仕上げることができます。
もう一つの方法は揚げることです。
この時に注意することは、高温で短時間にしておくことです。
低温から始めてしまうと、油を吸収しやすい性質のあるナスはかなり油を吸ってしまうことと、ナスの色は油にも溶け出してしまう性質があるからです。
高温、短時間で揚げたナスは味噌汁に入れてもいつもと違った味が楽しめますし、炒め物の仕上げにフライパンに入れ、味が馴染むように混ぜ合わせてもおいしく食べられます。
ナスのアク抜きに関するまとめ
ナスのアクはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸というもので、体に毒ということはありません。
毒ではありませんが、クロロゲン酸の酸化によって味や色の変化が現れます。
このようなことがあるのでナスのアク抜きは料理の味や見た目の変化が気になるときはした方がよいでしょう。
アク抜きによる栄養の変化は、ナスニン、カリウム共に水溶性の栄養であり、長い時間のアク抜きは栄養を減少させるので10分までにしておきましょう。
アクや色抜けによる変色が気になるときは酸性の調味料を使ったり、揚げたりすることで料理を色よく仕上げることができるので頭の中に入れておくと便利ですね。
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