日本のスーパーではあまり「タロイモ」を販売されているのをみかけませんが、皆さんはタロイモをご存知ですか?
タロイモがどんなものか、キャッサバやヤムイモと同時期に記憶したこと以外、わからない人も多いはず。
日本でも手に入るのであれば是非ためしてみたいところです。
しかし、タロイモについての知識があまりないので、食べ過ぎても害はないのか、ダイエットに効果的なのかなど、タロイモについての情報を頭に入れてから挑戦してみましょう。
今回は『タロイモは食べ過ぎても大丈夫?ダイエットに効果的ってホント?』をテーマに紹介します。
タロイモって何?
昔、タロイモを主食とする地域があるって習ったような・・あまり知られていないタロイモのことを知っておきましょう。
タロイモについて
実は私達日本人にも馴染みの深い「里芋」もタロイモ類で、日本で栽培される里芋はタロイモの中で最も北方で栽培されている種類です。
里芋は茎の地中に埋まっていう部分(塊根:かいこん)と葉の部分(芋茎:ずいき)を食用にしているものです。
ここでのタロイモは世界各地の温暖な地域で栽培されているもので、熱帯アジアやオセアニアの島々、アフリカの熱帯雨林地域などが産地のものを指します。
セレベスやコロカシなど多種類が栽培され、塊根と若葉を食用とします。
味は日本で食べられる里芋によく似ていて、ホクホク、モチモチの食感と優しい甘みが魅力です。
焼く、揚げる、マッシュするなどいろいろな調理方法で、食感と味の両方が楽しめる食材です。
キャッサバとヤムイモとの違いは?
冒頭にも少し述べていますが、タロイモ、キャッサバ、ヤムイモを地理で聞いたことがある人もいるかと思います。
タロイモがサトイモ科の植物なのに対し、キャッサバはトウダイグサ科イモノキ属、ヤムイモはヤマノイモ科ヤマノイモ属であることから分類される項目が違うことがわかります。
ヤムイモはヤマノイモ科であるのことから山芋や長芋のようなイモであり、すりおろしたり、短冊切りにして生のまま食べられたりもしますが、タロイモはサトイモ科であり、えぐみや苦みを感じることから生で食べられることはありません。
また、キャッサバは皮や芯、葉に青酸配糖体(シアン化合物)が含まれているので食べる前に毒抜きや加熱などの工程を行わなければ食べることができないことがタロイモやヤムイモとの大きな違いです。
タロイモの食べ過ぎで出る影響は?
タロイモについて少し知識がついたところで、食べ過ぎについて紹介していきましょう。
タロイモの食べ過ぎで体に悪い影響は?
タロイモを食べ過ぎて体に悪い影響があるのかということを紹介したいのですが、今のところ「太る」、「糖尿病になる」、「血圧が上がる」、「消化不良を起こす」などの食べ過ぎて起こる副作用は確認されていません。
しかし、タロイモばかりを食べ過ぎるということは食事の栄養バランスが偏ってしまいます。
食事はいろいろな食材をバランス良く摂るように心がけましょう。
食べ過ぎ以外の影響は?
タロイモと同じ仲間の里芋を調理中に触れたところが痒くなるなどの経験をする、食べて吐き気をもよおすなど、アレルギーかも・・と思った人もいるのではないですか?
実はタロイモは「非食物アレルギー食品」と言われているくらいで、赤ちゃんの離乳食や妊婦さん、授乳中のママにも嬉しい食べ物で、特別な問題は報告されていないのです。
では、その痒いと吐き気の原因がアレルギーではないとなると何が原因なのでしょう。
「シュウ酸カルシウム」、これが原因である可能性が高く、里芋だけではなくタロイモにも含まれています。
シュウ酸カルシウムの結晶が針状であるために触れたところに刺激を感じます。
生のタロイモや里芋にはシュウ酸カルシウムが多くふくまれているため、誤ってそのまま食べてしまうと突き刺さるような刺激を受けてしまいます。
シュウ酸カルシウムを多量に摂取してしまった場合には重い消化器障害、呼吸困難などを起こす可能性があります。
タロイモと里芋どちらも食べる時には十分な加熱調理をしてから食べるようにしましょう。
ダイエットに効果的ってホント?
イモと言えばカロリーが高いイメージがあってダイエットには向かない食材だと思われることも多くあります。
しかし、タロイモは“イモ”とついていながらもカロリーはサツマイモと比較すると約1/2程度、サツマイモダイエットというものもありますが、それをタロイモに置き換えたら・・・もっと効果が出そうな気がしませんか?
そうなんです、タロイモはダイエットに効果的な食べ物なのです。
タロイモのヌメリ成分である「ムチン」、「ガラクタン」、「グルコマンナン」の水溶性食物繊維がダイエットに役立ちます。
それぞれの成分がダイエットとどのように関わっているか見ていきましょう。
- 整腸作用があり、便通を整える。
- 糖吸収を穏やかにし、急な血糖値の上昇を防ぎ、血糖値を安定させる。
- コレステロールの吸収を抑制し、コレステロールを低減させる作用がある。
- 便通を整える
- 血管壁にたまるコレステロールの付着を予防し、コレステロールの低減に期待ができる。
- 多く摂取しても脂肪にならないという利点があるため、脂肪として蓄積されることがない。
- 脂肪や老廃物を体外に排出する働きがある。
- グルコマンナンの特徴として水に触れると大きく膨張するため、胃で膨らみ、満腹感を得ることができるので食欲を減退させることができる。
- 糖の吸収を穏やかにし、急な血糖値の上昇を防ぐ。
- 胆汁酸を運ぶ働きがあるので、コレステロールの低減に期待ができる。
これらの成分の働きだけではなく、GI値(グリセミックインデックス)も低く、ジャガイモが78で高GIなのに対し、タロイモは53と低く低GIとなっていて、食後血糖値の上昇が緩やかになります。
以上のことからタロイモはダイエットにおすすめの食材であると言えます。
更にガラクタンの血圧を下げる働きも合わせると、タロイモはダイエットだけではなく、さまざまな生活習慣病の予防に役立ちます。
タロイモの食べ過ぎに関するまとめ
タロイモは食べ過ぎても大丈夫!
イモなので太るかと思われがちなのですが、水溶性食物繊維であるムチン、ガラクタン、グルコマンナンの働きでダイエットに効果的な食材であることがわかりました。
タロイモの食べ過ぎに関する報告はなく、非食物アレルギー食品と呼ばれていることもあるので安心して食べられます。
しかし、加熱が不十分なタロイモはシュウ酸カルシウムの影響を受けます。
吐き気などを起こすこともあるので十分加熱して食べるようにしましょう。
タロイモはダイエットだけではなく健康にも役立つ食材であることが分かっています。
日本でよく見られる里芋もタロイモの一種、積極的に取り入れてみてはいかがでしょう。
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