ふきの食べ過ぎが良くないのはどうして?栄養や下処理の方法もご紹介します





売り場では存在感のあるながーいふき、鮮やかな緑色でシャキシャキとした歯ごたえ、鼻からぬける独特の香りが食べる者を魅了する春の味覚です。

定番の煮物、炊き込みご飯など香りの良いふきは箸を何度も口に運ばせます。

しかし、食べ過ぎが良くないと言われているのは知っていましたか?

食べる機会があまりなく知らない人も多いかもしれません。

そう考えるとふきの栄養や下処理の方法を知らない人もいて当然ですよね。

今回はふきのことが少しでもわかるように『ふきの食べ過ぎが良くないのはどうして?栄養や下処理の方法もご紹介します』をテーマにお送りします。

 

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ふきの食べ過ぎは良くないの?

ふきの食べ過ぎが良くないと言われている原因は一体どこにあるのでしょう。

実はふきには肝毒性であるピロリジジンアルカロイドが含まれていて、中でも毒性の強いとされるペタシテニンなどが含まれているのです。

この毒はふき(ふきの葉柄)だけではなくふきのとう(ふきの花茎)にも含まれていて、その含有量はふきのとうの方が多いとされています。

ピロリジジンアルカロイドはヒトや動物の肝障害を引き起こす可能性があるだけではなく、動物実験では発癌性があるものも確認されています。

ピロリジジンアルカロイドの毒は水に溶ける性質であり、アク抜きの作業で大幅に低減させることができます。

日本ではふきを食べる時には昔からアク抜きの作業を行って食べるという習慣があります。

このことが大きな意味を持ち、これまで日本でピロリジジンアルカロイドによる健康被害が出たという報告はありません。

しかし、短期間に大量に食べたり、長期に渡って食べ続けたりすることが健康に悪影響を及ぼす可能性は捨てきれないので、食べ過ぎには十分な注意が必要です。

 

ふきの栄養は?

ふきの水分は全体の約96%と多く、栄養価が高いとは言えませんが、その中でも注目すべき栄養を紹介します。

カリウム

カリウムはナトリウムと細胞の浸透圧をバランスよく保つ働きがあり、体内の水分の調整や摂り過ぎたナトリウムを排出する働きがあります。

このことから浮腫みの予防・改善や降圧効果に期待ができます。

また、神経や筋肉の情報を伝達する働きがあり、細胞間における連絡係を担っています。

 

ビタミンK

ビタミンKの一番の働きは血液凝固作用となります。

血液を止める際に肝臓から作られるプロトロンビンなどが欠かせない成分となりますが、その補酵素として働いています。

そのためビタミンKの不足はプロトロンビンの減少につながり、血液が止まりにくくなります。

また、健康な骨を作るためにも欠かせない存在で、骨粗鬆症の治療薬にもなっているほどです。

カルシウムを骨に結びつけて骨の形成を促します。

 

ポリフェノール

ふきにはフキノール酸、フキノリド、ケンフェロール、クロロゲン酸などさまざまなポリフェノールが含まれていて抗酸化作用があり、活性酸素の除去や有害物質の無害化から生活習慣病の予防に役立ちます。

フキノール酸…フキノール酸には咳止めやアレルギーの原因となるヒスタミンを血液中から減らす働きがあるので、花粉症などのアレルギー症状の改善に有効です。

フキノリド…香り成分であるフキノリドには消化液の分泌を促進し、胃腸の働きを良くする働きがあります。

ケンフェロール…ふき以外にもケンフェロールを含む食材がありますが(ネギ、ショウガ、リンゴなど)、ケンフェロールを摂取することは癌や心血管疾患などさまざまな病気のリスクを低減に期待ができるとされています。

クロロゲン酸…クロロゲン酸は糖質の分解を阻害することから糖の吸収を穏やかにし、脂肪の蓄積を予防するので、ダイエットや糖尿病の予防に期待ができる成分です。

 

β-カロテン

β-カロテンはビタミンAの働きがあり、肌や粘膜の健康を維持する他にポリフェノールと同様に抗酸化作用があり、さまざまな病気の予防に役立ちます。

また免疫力を上げる効果もあり、相乗効果で病気を予防します。

薬膳の面から見ると

ふきは【肝心肺】に効くとされていて、肝臓(肝)、循環器(心)、呼吸器(肺)だけではなく、精神状態、皮膚、免疫機能、体温調節、中枢神経、自律神経などに働きます。

解毒に優れていて、炎症や腫れものを治めるだけではなく、咳、痰、便秘などさまざまな効果を得ることができます。

 

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ふきの下処理の方法

ふきには不安要因であるピロリジジンアルカロイドが含まれていて、これを低減させるために下処理が必要と先程も述べていますが、方法はどのようなものなのでしょうか。

①ふきを長めに切る

というのは後の工程で皮を剥くという作業があり、短く切ってしまうととにかく皮を剥く作業が面倒くさくなります。

家にある大きな鍋の直径に合わせて切るのがおすすめです。

 

②ふき1束に対し、大さじ山盛り一杯の塩で板ずりをする

まな板の上に長めに切ったふきを置き、塩の全量をふりかけて両方の手を使いゴロゴロところがします。

この工程はふきを色よく仕上げ、皮を剥きやすくするために行います。

 

③大きな鍋にたっぷりの水を入れ沸騰させてから②を茹でる

茹で時間の目安として太い部分は5分程、先の細い部分は3分程なので時間差で鍋に入れます。

茹で時間を長くし過ぎると独特の歯ごたえが楽しめなくなるので気を付けましょう。

 

④水にとり、皮を剥く

皮を剥くときは確認しながら全ての皮を取り除くようにしましょう。

残った皮の歯触りはあまりいいものではありません。

⑤保存する場合は保存容器に入れ、ふきが全て浸かるように水を入れる

毎日水を変えれば一週間ほど保存ができます。

 

ふきの食べ過ぎに関するまとめ

ふきにはピロリジジンアルカロイドという毒が含まれています。

これはヒトや動物の体内に入ってしまうと肝障害を引き起こす可能性もあるもので、動物に対しては発癌のリスクが高まるとされています。

しかし、この毒はふきを下処理(アク抜き)することで低減させることができます。

昔から食べられている食材ですが、健康被害が出たと言う報告はないので下処理を確実に行えば安心して食べられますが、食べ過ぎはおすすめできるものではありません。

栄養に関してはカリウム、ビタミンK、ポリフェノール、β-カロテンが含まれていて降圧効果、むくみ予防、血液凝固、骨の形成、抗酸化作用、生活習慣病の予防、アレルギーの改善、健胃、病気の予防などに働き、薬膳として見ても肝心肺に効くとされているのでさまざまな効果を得ることができます。

ふきは下処理をすれば安心して食べられるものです。

旬である春には是非食べてみて下さいね。

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