日本独自の食材で、その高価さからなかなか庶民は味わう機会がないフグ。
肉のような食感と上品な味がするフグは、高級料理の中でも一際人気があります。
しかしフグというと、多くの人が思い浮かぶのが「毒がある」ということですよね。
特に食べ過ぎると体に影響が出る、時には命に関わるとなると心配になってしまいます。
でもフグの食べ過ぎで、体にはどのような影響があるのでしょうか。
そこで今回は『フグの食べ過ぎで起こる影響や、毒は大丈夫なのか』を詳しくご紹介していきます。
フグの食べ過ぎで起こる体への影響
フグの食べ過ぎといってもなかなかの高級料理なので、食べ過ぎる機会はそうそうないと思います。
しかし中には、フグが好きで大量に食べ過ぎてしまったという人もいますよね。
フグは危険!というイメージが強いのですが、実際は限られたケースのみ危険が伴うというのが正しい認識です。
ふぐを食べる場合の危険なケースとは
- フグを釣ってきて自分でさばいた場合
- 許可されていない部位を食べてしまった場合
このようなケースでは、食べ過ぎなくても体に影響が出る危険性が高まります。
フグの肝などの内臓に含まれる「テトロドトキシン」という毒によって、体に悪影響が出てしまうのです。
フグの毒はどのくらい危険なの?
フグの毒であるテトロドトキシンはどのくらい危険なのか、とても気になりますよね。
少しお腹を下したり嘔吐するくらいなんじゃないの?と甘く考えている人は、要注意です。
フグの毒は少し「あたった」というものではなく、なんと猛毒の青酸カリの500〜1000倍もの強力なもの。
そのためフグの毒にあたった場合には、命の危険が非常に高くなるのです。
ほんの2〜3gで致死量となり得て、4〜6時間で死亡するケースが多くなります。
フグは種類によっても毒の強さが異なり、また臓器によっても毒性は変わってくるのです。
そして不思議なことに、漁獲された海域によっても毒による影響が異なる特徴があります。
フグの食べ過ぎ注意!毒はどこに含まれる?
フグは臓器によって毒の強さや含まれる部位が異なるのですが、特に含まれているのはどこなのでしょうか。
フグは成長するごとに毒が含まれる部位が変化していきます。
最初の段階では皮膚に含んでいるので、独特の食感でつい食べ過ぎやすいフグ皮には要注意です。
さらに成長すると、今度は肝臓に毒を溜め込んでいきます。
そしてフグが成熟すると、最終的に卵巣などの生殖器に毒が溜まっていきます。
フグは種類によって食べられる部位と食べられない部位があるので、自分の判断で調理して食べるのは非常に危険です。
しかしフグの肝臓と卵巣に関しては非常に危険度が高いため、食用としては利用を禁止されています。
フグを影響なく安心して食べるには?
フグの体への影響が気になるけれど、やはり美味しいものはたくさん食べたいですよね。
安心して食べ過ぎても良いように、影響なく食べるにはどうしたら良いのでしょうか。
フグを自分でさばくなんて絶対にありえない!と思われがちですよね。
しかし、実は毎年数件自分で釣ったフグをさばいて食べて、毒にあたって死亡するケースが起こっているのです。
フグを素人が調理するのは、とても危険なことなので絶対にやめましょう。
フグは下処理を専門知識を持ってこなせる「ふぐ調理師」の免許を取得した料理人が調理したものである必要があります。
フグ専門店ではこうした専門の料理人が安全に調理しているので、毒にあたることなく食べることができるのです。
フグが高級なのは、魚自体の評価もさることながら調理師の手間代や技術料も含まれているということなのですね。
このような専門店であれば、フグを多少食べ過ぎても安心です。
フグの食べ過ぎに関するまとめ
フグの食べ過ぎで起こる体への影響や、毒は大丈夫なのかを詳しくご紹介してきました。
フグは食べ過ぎなくても、毒を含む部位を食べることで少量でも命の危険が高まります。
フグに含まれるのはテトロドトキシンといって、青酸カリの何百倍もの強さを持つ毒です。
はじめは皮からで、成長すると肝臓や卵巣などに毒が溜まっていきます。
フグを影響なく安心して食べるには、絶対に自分で調理はしないことと専門の調理師免許を持つ料理人に下処理をしてもらうことです。
専門店ではふぐ調理師が丹念に下処理をしているので、食べ過ぎても大丈夫なくらい安全性が高くなっています。
フグは危険!と決めつけるのではなく、安全を確保した上で正しく食べることが大切なのです。
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