ごま油の使い過ぎは危険なの?それとも効果があるの?





ごま油は香りが高いだけではなくさまざまな料理の風味を増すため、食べる人の食欲をそそります。

また、あまり知られてはいないですがマッサージオイルとしても用いられることもあり、多くの人が摂取、使用する油の一つです。

原料がごまなので体に良い効果をもたらし、危険が及ぶなどということはない気がしますが、使い過ぎることで何か影響があるのでしょうか?

多く使われているからこそ影響と効果を知っておきたいですよね。

今回は『ごま油の使い過ぎは危険?良い効果?』について紹介していきます。

 

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ごま油の使い過ぎは危険?

ごまと言えば健康に良いイメージがありますが、実は使い過ぎには注意すべき点もあります。

まず、これから紹介するリノール酸を含む油の種類について少し説明します。

脂質には2種類あり、動物性脂肪(肉、卵、牛乳など)に多い飽和脂肪酸、今回紹介するごま油の他にオリーブオイル、なたね油など主に植物由来の脂に多く含まれる不飽和脂肪酸があります。

不飽和脂肪酸はオメガ3、オメガ6、オメガ9に分類され、オメガ3、オメガ6は多価不飽和脂肪酸、オメガ9は一価不飽和脂肪酸として私達の健康維持に役立っています。

オメガ3は青魚などに、オメガ6は植物油などに多く含まれていて、共に体内では作り出すことのできない成分で必須脂肪酸となっています。

オメガ9は体内で作ることができ、食品からはオリーブオイル、キャノーラ油から摂取することができます。

近年問題視されていることは、食の欧米化などによりオメガ3の摂取量が減少、オメガ6の摂取量が増加していることです。

摂取する脂肪酸のバランスが崩れることで体にさまざまな影響及ぼします。

性別や年齢で摂取する目標は変わってきますが、目標として「オメガ6:オメガ3」が男性4.6:1、女性4.4:1(男女共にいろいろな年代の平均値)となっています。

 

①善玉コレステロールの減少

ごま油に含まれる脂肪酸の構成としてリノール酸(オメガ6脂肪酸)43.7%、オレイン酸(オメガ9脂肪酸)38.9%、飽和脂肪酸14.8%、その他2.6%となっています。

ここでの問題は先程も述べましたが、現代人はオメガ6脂肪酸の摂取量が過剰であるといいうことです。

ごま油のリノール酸はコレステロールを低下させる作用があり、積極的に使用することが推奨されていました。

しかし、欠点として酸化しやすいという性質があり、酸化したリノール酸は善玉コレステロールを攻撃して性質を変えてしまいます。

このことが原因で血管内には善玉コレステロールが減少してしまうという事態が起きてしまい、コレステロール値を上げてしまう恐れも生じます。

 

②過酸化脂質の生成

先程も述べましたが、リノール酸は酸化しやすい性質から体内で過酸化脂質が生成されやすくなります。

過酸化脂質とは肌や細胞の老化・病気を引き起こす原因の一つとされる活性酸素に油が結合したもので、その影響は活性酸素よりも受けるダメージは大きいとされています。

活性酸素は増えすぎると正常な細胞までも攻撃して傷付けてしまい、機能の低下から老化や病気が引き起こされるのに対し、過酸化脂質は細胞の中に蓄積しジワジワと内側から細胞に攻撃をしてダメージを与えます。

過酸化脂質が発生すると肌であれば老化、血管であれば動脈硬化、臓器に至っては癌など箇所によりさまざまな病気のきっかけになります。

活性酸素から受けるダメージの修復は早く重症化には至らないとされていますが、過酸化脂質は内側から細胞を破壊し、受けるダメージも大きいため危険性が高いのです。

また、リノール酸から合成されるアラキドン酸が癌の発育を促進するということもわかっています。

 

③アレルギー症状の原因

先程②で紹介した過酸化脂質が細胞の働きを阻害し、免疫細胞が正常な機能を果たせなくなることでアトピー性皮膚炎、花粉症、喘息、鼻炎などのアレルギー症状が引き起こされます。

これらの症状は油の種類の説明でも既に述べていますが、オメガ6脂肪酸(リノール酸)の過剰摂取とオメガ3脂肪酸の不足によって炎症の原因物質ロイトコリエンが過剰に生成されてしまうことで発症が助長されてしまいます。

 

④カロリー過多、内臓への負担

ごま油の過剰摂取は他の油と同様、カロリーを気にしなければなりません。

一日の摂取量の目安が大さじ1杯の12g程度とされています。

ごま油大さじ1杯のカロリーは111kcalです。(ちなみに、食用油にはいろいろな種類がありますが、どれも大さじ1杯のカロリーは111kcalです。)

香りづけに少し、炒め物に大さじ1杯使うなど少量であれば気にする必要はまずありませんが、いくら香りがいいからと言ってドボドボと使い過ぎるとカロリー過多で太ってしまいます。

また、ごま油も他の食用油と同様、消化と吸収に時間がかかってしまい、胃腸の機能が低下しさまざまな症状が引き起こされてしまいます。

一例ですが、吐き気、嘔吐、胃もたれ、胃痛、下痢などの胃腸障害の原因になってしまいます。

これらの症状は消化時間が長いことに伴って胃酸が多く出過ぎてしまい、更に胃腸への負担、食欲がなくなり食事の量が減ってしまうなどという体の中での悪循環につながりかねません。

こってり料理はおいしいですが、胃腸への負担になってしまうので摂り過ぎには注意が必要です。

 

 

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ごま油の良い効果は?

先程紹介したリノール酸の脅威には考えさせられるものがありましたが、適量を守れば体に良い効果も得られます。

ゴマリグナンの抗酸化作用

ゴマリグナンはテレビCMなどでおなじみのセサミン、他にもセサミノール、セサモール、セサモリン、エピセサミンなどが含まれている抗酸化物質の総称です。

ゴマリグナンは強い抗酸化作用を持ち、活性酸素の除去、肌や細胞の老化を防ぐことからアンチエイジングや高血圧予防に役立ちます。

また、ゴマリグナンの抗酸化作用は癌を予防する効果に力を発揮すると考えられています。

他の作用として肝機能を助ける働きがあり、アルコール分解の補助をしてくれることから二日酔いや悪酔いの予防にも効果的です。

更に女性の心身にありがたいホルモンバランスを整えるという働きもあります。

これはゴマリグナンが女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た特徴を持っていることから働く作用です。

 

ビタミンEで血流改善

ごま油はビタミンEを含んでいて、血行を促進し血流改善が期待できます。

血行不良が原因となる冷え性、末端冷え性、腰痛、頭痛などの予防・改善に有効です。

また、若返りのビタミンとも呼ばれているビタミンEは抗酸化作用があります。

ゴマリグナンにも抗酸化作用があることは先程述べましたが、ゴマリグナンとビタミンEとの相乗効果で美容や健康に更に期待ができるでしょう。

 

セレンが抗酸化脂質の分解を助ける

セレンは微量ミネラルの一種でビタミンEと同様、抗酸化作用があります。

他の微量ミネラルに比べ毒性が強く摂り過ぎは毒となりますが、過酸化脂質の分解を助ける酵素に含まれる成分でこちらも活性酸素の除去、老化の予防などに役立ちます。

しかもセレンの抗酸化作用はビタミンEの60倍と言われている他、ビタミンEと一緒に働くことでより大きな効果を得ることができます。

また、相乗効果で全てというわけではないですが、ある程度はビタミンEの代わりをつとめることができます。

他の働きとして水銀と結合して無害化、硫黄と結合して体内に入った有害金属、水銀、カドミウムの働きを無毒化します。

 

ごま油の使い過ぎに関するまとめ

ごま油に含まれているリノール酸を摂り過ぎることで①善玉コレステロールの減少②過酸化脂質の生成③アレルギー症状の原因④内臓へ負担となることがわかりました。

このことからコレステロール血症、動脈硬化、癌などを発症してしまう危険があります。

このような事態を避けるためにもオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸のバランスが重要となってきます。

オメガ6脂肪酸は現代人には足り過ぎているので進んで摂ることをおすすめはしていませんが、オメガ3脂肪酸の積極的に摂取することでオメガ6脂肪酸からの脅威を抑えることができます。(オメガ3脂肪酸:中性脂肪の低下、不整脈の抑制、血栓の予防など生活習慣病に効果あり。)

ごま油の過剰摂取は危険ですが、適量であればゴマリグナン、ビタミンE、セレンの抗酸化作用が得られます。

全ての成分に抗酸化作用があるので相乗効果で美容や生活習慣病の予防に大いに期待ができると言えるでしょう。

摂り過ぎはおすすめできませんが、食材とバランスよく組み合わせてその効果を自分のものにしてくださいね。

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