味の素の使い過ぎは体に危険?成分について知っておこう。





テレビCMでもおなじみの味の素、うまみ調味料として皆さんのご家庭にも常備してあるのではないでしょうか。

お味噌汁に一振りで味を引き締めて、卵かけご飯に三振りでいつもの卵かけごはんとは違ったおいしさに、と味に変化をつけてくれる優れものですよね。

料理の助っ人となってくれる味の素ですが、含まれる成分がある世代の一部の人に「毒」とか「体に良くない」と言われているのをご存知ですか?

毎日の料理の仕上げに使うことが使い過ぎとなって体に害となっては大変です。

今回は『味の素の成分と使い過ぎによる体への影響』を紹介します。

 

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味の素の成分は?

テレビCMでは味の素の原料がさとうきびだということを伝えていますが、含まれる成分はどのようなものなのでしょう。

詳しく見ていきましょう。

発売元の味の素株式会社はグルタミン酸ナトリウム97.5%、イノシン酸ナトリウム1.25%、グアニル酸ナトリウム1.25%と成分を公表しています。

 

  • グルタミン酸ナトリウム

グルタミン酸は昆布のうまみ成分(アミノ酸の一種)で、さとうきびやデンプンを発酵させて作り出されます。

料理として使いやすく水に溶けやすくするためにナトリウムと結合させて乾燥させたものがグルタミン酸ナトリウムです。

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  • イノシン酸ナトリウム

イノシン酸は鰹節、煮干し、肉類に含まれるうまみの主成分です。

タピオカとトウモロコシのデンプンを発酵させて作り出されます。

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  • グアニル酸ナトリウム

グアニル酸は干しシイタケのうまみ成分です。

シイタケ以外にはマツタケやエノキなど他のキノコ類にも含まれています。

こちらもタピオカとトウモロコシのデンプンを発酵させて作り出されます。

 

使い過ぎによる体への影響は?

味の素の安全性

長年の毎日の料理に使用していたとしても体に害があるなど影響を与えることはありません。

味の素は体内に入るとグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、ナトリウムに分けられます。

これらの成分は上記でも紹介していますが、昆布や鰹節、干しシイタケなどのキノコ類にも含まれているものと同じで、体内に蓄積されるということはなく害になるということもありません。

摂取すれば他の食品同様、体内の腸管や肝臓などで代謝が行われます。

安全性については日本の食品衛生法の安全性試験を全てクリアしている他、国際食糧農業機構や世界保健機構など世界の権威ある機関によって食品添加物としての安全性が確認されています。

味の素の成分の致死量

安全性が確認されていると先程紹介しましたが、半数致死量【LD50】も一応お伝えします。

人間に換算するとありえない数値なので合わせて安心材料としてもらえればと思います。

(半数致死量【LD50】とは物質の急性毒性の指標で、その物質を摂取した動物の半数が死亡する量)

・グルタミン酸ナトリウム…ラット経口LD50=20g/㎏ 60㎏の人に換算すると1.2㎏

・イノシン酸ナトリウム…ラット経口LD50=14.4g/kg 60kgの人に換算すると864g

・グアニル酸ナトリウム…ラット経口LD50=20g/kg 60㎏の人に換算すると1.2kg

普段生活をしている上で、味の素の成分を1.2kgも摂ることの方が難しいので摂取量については深く考えなくてもいいでしょう。

 

今までに起きた問題【中華料理店症候群】

またの名をグルタミン酸ナトリウム症候群といいます。

今回紹介している味の素で起きた問題ではありませんが、味の素の主成分であるグルタミン酸ナトリウムを摂取して起きた問題です。

1960年代に中華料理を食べたアメリカ人が食後に体調不良を起こしたと言う問題で、症状は顔面の紅潮、頭痛、歯痛、体の痺れなどが現れたとされます。

これらの体調不良は長くは続かず、しばらくすると症状が治まるというものです。

名称の由来としてアメリカの中華料理ではグルタミン酸ナトリウムがよく使用されていることが起源となっています。

中華料理店症候群を発症する原因はグルタミン酸ナトリウム単一と考えられていることが多いのですが、このように呼ばれる症状はグルタミン酸ナトリウムが原因というよりは食事後に起こるさまざまな症状の呼称であって、原因は事例ごとに異なるとされています。

例えばオレンジジュースやコーヒーを飲むと同様の症状が見られたり、ナトリウムの過剰摂取で血圧の上昇が見られたり、他に劣化した油の多量摂取で同様の症状が出ることもあります。

多くの研究者や機関によって議論や調査がされたのですが、実際にはグルタミン酸ナトリウムの摂取で中華料理店症候群が発生するという根拠は見つからなかったという結果が出ました。

 

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毒と言われているのはどうして?

冒頭で「毒」とか「体に良くない」と言われていると述べましたが、周りの高齢の方からこのように聞いたことはないですか?

現在、味の素はさとうきびから作られていますが、実は1970年代までは「石油製法」で作られていたのです。

 

石油製法の毒性

グルタミン酸ナトリウムの原料にアクリロニトリル、ノルマルパラフィンという石油製品が使われていました。

これらの石油製品から酢酸を生成したのちグルタミン酸が製造されていました。

石油の中にはタールという有害物質が含まれています。

タールはタバコにも含まれていることはよく知られていますが、発癌性物質で当時の製品にもタールをどのように除去するかという問題が残されていました。

グルタミン酸ナトリウムが99%の純度の場合、不純物が1%、その中にタールがどれだけ残留しているか検査がされていなかったのです。

そんな中、協和発酵工業(現在は協和発酵キリン)がグルタミン酸生産菌を発見し、コスト面を見ても優れていることから現在はグルタミン酸生産菌を使った発酵法が主流となっています。

 

現在の味の素の作り方

原料には天然のさとうきびを使って糖蜜を作り、他の栄養素と共に発酵タンクに入れ加熱殺菌が行われます。

この中にグルタミン酸生産菌が加えられ、糖分を摂り込みながら徐々にグルタミン酸へと形を変え、グルタミン酸となった菌はグルタミン酸を発酵液の中に放出します。

発酵液からグルタミン酸結晶の塊と液体とに分離し、グルタミン酸の方に水酸化ナトリウム溶液が加えられ、グルタミン酸ナトリウムへとなります。

ろ過して不純物を取り除き、無色透明となったグルタミン酸ナトリウムを加熱し結晶化します。

温風で乾燥されたグルタミン酸ナトリウムは包装され製品として完成です。

 

味の素の使い過ぎに関するまとめ

味の素の成分はグルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムの3成分からできており、体内で代謝が行われるため使い過ぎが体に良くないということはありません。

グルタミン酸ナトリウムが原因と考えられていた中華料理店症候群も関係性の根拠が見つからないと言う結果も出ています。

かつての石油製法にはタールが残留しているという問題があり、人体への毒となりましたが、グルタミン酸生産菌を使った発酵法へと製造方法を変更してからは安全なものが手に入るようになりました。

今でも昔の悪評が残っていたりしますが、安全に使えるものへと変わっているので、安心して使ってくださいね。

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