スキムミルク・・名前は聞いたことがあってもそれがどういうものなのかわからない人もいますよね。
そのスキムミルク、栄養価が高いと言われているので、子供の成長を考えると取り入れたいものですが、飲み過ぎは危険だと言われています。
いつ頃から飲めるもので、粉ミルクの代用や離乳食にも使えるのか、安全に使いたいのでしっかり知っておきたいですよね。
今回『スキムミルクの飲み過ぎは危険だと言われる理由とは?いつから飲み始めるのがいいの?』をテーマに紹介します。
スキムミルクって何?
呼び方を変えるとピンと来る人もいるかもしれませんね。
スキムミルクは言い換えると脱脂粉乳で、昔の給食にも出ていたようです。
昔の脱脂粉乳はおいしくないと言われていましたが、近年では品質も味も向上していて飲みやすいものとなっています。
スキムミルクは牛乳・生乳から脂肪分と水分を取り除き、粉末にしたものです。
冒頭にも述べていますが栄養価が高く、タンパク質、カルシウム、乳糖などを多く含んでいるので、アメリカからの援助で戦後の学校給食でも用いられることとなりました。
当時のものは保存状態が良くないものが給食に出されていたこともあって、苦手とする人も多かったようですが、近年では質の向上に伴い牛乳のようなクセがなくて飲みやすいという人も見られます。
また、低脂肪ということで牛乳と比べてもカロリーが低く、ダイエットに向いていると話題にもなっています。
スキムミルクの原料が危険?
栄養価が高いはずのスキムミルクは飲み過ぎが危険と言われているのですが、その原因はスキムミルクの原料ともなっている牛乳に原因があると言われているのですが実際はどうなのでしょうか?
遺伝子組み換え飼料が危ない?
牛乳用に飼育されている牛の飼料には「アルファルファ」というものが多く使われています。
国産アルファルファもありますが、現在では大半がアメリカからの輸入に頼っています。
しかし、ここで問題となるのが輸入アルファルファの安全性が確保されていないことです。
日本では遺伝子組み換えの商業栽培は行われていませんが、輸入先では遺伝子組み換えを行っている国も多くあります。
遺伝子組み換え作物は健康に悪影響を与える可能性があります。
実際に遺伝子組み換えが盛んに行われているアメリカでは遺伝子組み換え食品の登場と共に癌や白血病、アレルギー、自閉症などの患者が急増しました。
これらの病気と遺伝子組み換え食品の関係が断定的なものではありませんが、可能性としては十分にあるので問題視されています。
ラット実験に至っても巨大な腫瘍、発育の悪さに加え死亡率も高いという報告があります。
アルファルファの安全性について述べてきましたが、組み替えられた遺伝子が牛乳に影響するということはなく、乳牛の体内で消化酵素によって分解されてしまうのでアルファルファが飼料として危険ということはありません。
使用しているホルモン剤の危険性は?
ホルモン剤は使われていても本当に安全と言えるのでしょうか?
ここで問題となるホルモン剤は私達人間の病気のリスクや成長の異常をもたらすものを指します。
乳牛以外にも食用牛にもホルモン剤が使われていて、実際にイタリアやフランスなどでホルモン剤が使用されている食用牛を口にした幼児の胸が大きくなる、体毛が生える、生理が始まるなどの第二次性徴と同じ様なことが見られたことが報告されています。
また、確証はないのですが乳癌や前立腺がん、大腸癌のリスクを高めると論じられることもあります。
そもそもこのホルモン剤はなぜ使われているかというと、搾乳量を増やすためで使う場合と使わない場合とでは最大で4割ほどの差が出てくるようです。
ただ、このような症状が現れるホルモン剤は日本やEUでは使用禁止とされているので、生産地を確認する配慮が必要です。
抗生物質を与えられている乳牛の安全性は?
スーパーなど店頭に並んでいる牛乳には抗生物質が混入したものは販売されていません。
乳房炎や傷などで抗生物質を使われることはありますが管理は厳しく、治療を行った乳牛は搾乳する乳牛を分けて管理されます。
また、抗生物質を使った牛から搾乳した牛乳は薬が消失するまでの間出荷することができず、その期間は抗生物質を使うたびに獣医師から告げられます。
抗生物質の検査は酪農家から出荷する時、乳業会社の工場が受け入れる時に厳しく調べられるので、抗生物質が混入した牛乳は店頭に並びません。
スキムミルクの意外な落とし穴
栄養価が高く、低脂肪なスキムミルクにも気を付けなければならないことがあります。
低脂肪でダイエット向きだと言われていますが、近年の研究で低脂肪乳やスキムミルクの飲み過ぎはパーキンソン病を発症するリスクが高くなると言われています。
低脂肪乳を一日720ml以上飲む人は34%、スキムミルクを一日720ml以上飲む人は39%、摂取しないグループと比較するとパーキンソン発症リスクが高まると報告されています。
現在はまだ研究段階でこれ以上のことはわかっていませんが、飲み過ぎには注意が必要となります。
スキムミルクはいつから飲める?
一見、粉ミルクと似ているスキムミルクですが、赤ちゃんには使えるのでしょうか?
粉ミルクの代用になる?
見た目は似ていてもスキムミルクは粉ミルクの代用にはなりません。
粉ミルクには赤ちゃんが成長するための栄養がギュッとつまっていて、カロリーは100gあたり518kcalです。
スキムミルクも栄養価が高いと説明してきましたが、カロリー100gあたり357kcalです。
スキムミルクの栄養価が高いと言ってもスキムミルクでは赤ちゃんに必要な栄養は補えません。
粉ミルクは赤ちゃんの成長に必要な母乳の栄養に近づけて作られています。
いつから口にすることができる?
スキムミルクは牛乳と同じ扱いで、離乳食が始まって2ステップ目のモグモグ期(7~8ヶ月頃)から離乳食に混ぜて使えますが、この頃に飲むことはやめてください。
タンパク質を含むものなので、豆腐や白身魚などのタンパク質を含む食材に慣れてから使うようにしましょう。
初めて使う時には気を付けることがあります。
- アレルギーは遺伝することもあるので親や兄弟姉妹で乳製品の食物アレルギーの人がいる場合は使用を慎重にする。
- アレルギーが出ることもあるので重症化予防のために確実に加熱してから使うこと。
- 消化器官が未発達なので使う時は少量にする。
- スキムミルクに含まれる乳糖の分解が下痢の時には負担になるので、下痢をしている赤ちゃんには使わない。
いつから飲める?
消化器官が未発達とは先程も述べていますが、赤ちゃんには牛乳のタンパク質を分解するということが負担になってしまいます。
離乳食に混ぜて使うのは7~8ヶ月頃から始められますが、飲むのは1歳以降からにしましょう。
アレルギーのことを考えても大きな症状を防ぐためにも1歳より前には飲ませないことが重要です。
スキムミルクの飲み過ぎに関するまとめ
スキムミルクの飲み過ぎは原料である牛乳が危険なのでは?と調べてきましたが、遺伝子組み換え飼料、ホルモン剤、現在の日本では病気や成長のリスクがあるということはありませんでした。
しかし、飲み過ぎに注意しなければならない理由もあり、研究段階ではありますが、パーキンソン病のリスクが高まると言われているので注意が必要となります。
赤ちゃんは少量を前提に7~8ヶ月頃には離乳食に混ぜて、1歳以降には水に溶いて飲ますこともできます。
タンパク質やカルシウムは子供にも大人にも必要な栄養素です。
スキムミルクはどちらも多く含んでいるので、牛乳から置き換えて飲んでみてもいいですね。
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