沖縄や鹿児島の豊かな自然の中で育った甘い恵みであるサトウキビは砂糖の原料となることで有名です。
実は砂糖の原料としてだけではなく、栄養価の高いスーパーフードとしても有名で注目されています。
産地以外の人が口にする機会はなかなかありませんが、栄養価が高いなら試したい!と思いませんでしたか?
しかし、食べ過ぎは危険が伴い、副作用が心配されています。
食べる前に副作用について頭に入れておきましょう。
今回は『サトウキビの食べ過ぎは危険?どんな副作用があるの?』をテーマに紹介します。
サトウキビの食べ過ぎで起きる副作用は?
サトウキビを見かればテレビで見た様にかじってみたい!と思うのがヒトの心理かもしれませんが、サトウキビを食べる時には注意が必要です。
サトウキビ中毒
サトウキビを食べる時には細心の注意が必要です。
と言うのもサトウキビには「サトウキビ中毒」というものがあるからです。
サトウキビ中毒とはカビの生えたサトウキビが引き起こすもので、その毒は中枢神経系に影響をもたらし、症状としてめまい、嘔吐、痙攣、意識障害などが見られ、最も深刻な場合には命を落としてしまうこともあるので注意が必要となります。
サトウキビの外側からはカビが生えていることはわからないので、かじって中を確認して初めてそれを確認することとなります。
サトウキビ中毒を引き起こすサトウキビの中は赤くカビが繁殖しています。(赤腐病 アカグサレビョウ)
これはメイチュウという蛾が食べた部分や茎にできた亀裂からカビが侵入することが原因で起きる症状です。
沖縄やアジア諸国などの観光地では手に入りやすいサトウキビ、その場で絞ってジュースにしてくれる屋台もあるようで、気軽に購入できるのが嬉しい点ではありますが、購入の際にサトウキビの中が確認できるかと言えばなかなか難しくなります。
サトウキビは栄養価が高いので見かければ多く摂りたいところです。
しかし、カビに気づかぬまま食べ過ぎたり、サトウキビジュースにして飲み過ぎたりということもサトウキビの中が確認できなければ起きかねません。
そこで、勇気のいることですが販売店にサトウキビが安全か確認をとる、サトウキビ畑の横を通っても(他人様の畑ですし)落ちているようなサトウキビには手を出さないなど、サトウキビ中毒を回避することが安全に食べる方法になるでしょう。
単純に・・筋肉痛
サトウキビを丸かじりする姿をテレビで見かけることもありますが、繊維がとても硬そうだと感じたことはありませんか?
サトウキビの食べ方は①丸かじり → ②茎を噛んで果汁を楽しむ → ③味のなくなった繊維質(カス)は口から出す というスタイルです。
実際にサトウキビの繊維は硬くて飲みこめないので、味のない繊維質は口から出さなければなりません。
そんな硬いサトウキビ、食べ過ぎると口やあごが痛くなることは付き物で、翌日には筋肉痛が起きる可能性は大です。
サトウキビの丸かじりはほどほどに楽しみましょう。
サトウキビの栄養は?
先程も少し触れましたが、サトウキビの産地が観光地になっているところではフレッシュなサトウキビジュースを飲むことができます。
冒頭でサトウキビはスーパーフードとしても有名と述べましたが、サトウキビジュースからどのような効果が得られるかを紹介します。
オクタコサノールはスポーツをする人には強い味方となる栄養です。
というのも、オクタコサノールはエネルギー不足が生じている時に体内に貯蓄してあるグリコーゲンを素早くエネルギーに変換する働きを持っていて、スポーツを継続して行える持久力を高める効果が期待できます。
また、酸素を効率よく利用させる働きを持つため、スポーツやトレーニングの時間にはバテを知らずに動くことができ、体力やスタミナの増強、反射力や俊敏さなどの運動能力を高めるだけではなく、筋肉痛の軽減も期待ができます。
更に、オクタコサノールには悪玉コレステロール値を低くする働きがあり、善玉コレステロールはキープしたまま悪玉コレステロールだけを低くするので、心疾患や高血圧、動脈硬化の予防に期待ができます。
原因不明の神経変性疾患であるパーキンソン病の症状を改善するためにオクタコサノールの投与が有効という結果も出ています。
サトウキビにはラフィノースという天然オリゴ糖の一種も含まれています。
ラフィノースは胃や小腸で消化されず大腸まで届き、善玉菌を増殖させ腸内環境を整え、毎日のお通じのリズムを作り、便秘や下痢の改善にも役立ちます。
善玉菌(ビフィズス菌)は免疫機構の活性化に役立つと言われているのですが、ラフィノースの作用で増殖した善玉菌は免疫細胞の機能を高める(免疫力を上げる)ことに期待ができます。
それだけではなく、腸内の悪玉菌の減少はガスの発生が抑えて肝臓の働きを改善し、ラフィノース自体が肝障害発症抑制効果もあることが研究でわかっています。
また、肌への効果もあり、アトピー性皮膚炎の症状の改善が報告されているだけではなく、化粧品としてもラフィノースは役立っていて、肌のバリア機能を高める作用もあり美肌効果を得ることもできます。
抗酸化作用があることで有名なポリフェノールはサトウキビにも含まれています。
活性酸素にも病原菌から体を守るという役割がありますが、増えすぎてしまうことが問題で、細胞を攻撃して老化や癌、生活習慣病などの病気の原因となってしまいます。
ポリフェノールは活性酸素の除去に働き、発癌物質の活性化抑制、生活習慣病などの予防、血管の維持、免疫力の増強、抗アレルギー作用などに期待ができます。
摂取後すぐに作用しますが長時間の作用ではないため、こまめに摂ることをおすすめします。
サトウキビにはミネラルも多く含まれていて、特にカリウム、カルシウム、鉄分が多く含まれています。
カリウムには体内のナトリウムと水分のバランスを保つ働きがあり、細胞を正常に保つ、血圧を下げるなどの効果や神経伝達、心臓や筋肉の機能を調節して体を常にいい状態で保つ働きと、利尿作用があることからむくみの予防・改善にも働きます。
カルシウムは歯と骨の健康を維持する役割がありますが、細胞分裂、血液凝固、筋肉収縮、神経興奮抑制など、体のいたるところに働く重要な役割を担っています。
鉄分は不足すると貧血になることは有名な話ですが、鉄分はヘモグロビンを作る主成分となり、体中に酸素を運ぶ重要な働きをしています。
また、鉄分は筋肉に酸素を蓄えるミオグロビンの成分にもなります。
ビタミンも含まれていて特にサトウキビに多く含まれているのは、ビタミンB6とビオチンです。(ビオチンもビタミンB群に属します。)
ビタミンB6代謝に関係していて血液や筋肉を作り出し、中枢神経を正常に保つ働きがあり、不足すると貧血や脳波の異常が見られることがあります。
ビオチンも代謝をサポートする働きがあり、エネルギーを産出する手助けをしています。
また、皮膚や粘膜、神経組織を健康に保ち、この働きはビタミンB6にも見られる作用です。
特に皮膚や髪の健康維持に深く関係があり、アトピー性皮膚炎や脂漏性湿疹、白髪や円形脱毛症の改善に役立ちます。
ビオチンの不足は皮膚炎や脱毛、食欲不振やうつなどの症状が見られることがあります。
製品化されたものに注意は必要?
サトウキビには赤腐病というカビに注意が必要でしたが、サトウキビから製品化された砂糖にも注意するべきことはあるのでしょうか。
砂糖の種類は上白糖やきび糖、黒糖などいろいろな種類がありますが、摂り過ぎはカロリーが高く、どの砂糖を見ても100gあたり350~400kcalと高くなっています。
そのまま100gもの量を食べる機会はないと思いますが、砂糖の摂り過ぎは肥満や生活習慣病になる可能性が十分にあり、虫歯の原因ともなるので注意が必要です。
サトウキビにはミネラルやビタミンなどの栄養が多く含まれていましたが、精製される時点でその栄養は減少してしまい、上白糖にはその栄養があまり含まれず、ほぼゼロと考えてよいでしょう。
摂取した砂糖の性質としてビタミンやカルシウムを消費する、免疫力を下げるということなので、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
しかし、雑味がない分どの料理にも合わせやすいといった利点を持っています。
黒砂糖や黒糖はサトウキビの搾り汁を煮詰めて作るので、栄養素が多く含まれているのですが、1歳未満の赤ちゃんに与えることはとても危険です。
ハチミツにボツリヌス菌が含まれているので1歳未満の赤ちゃんには与えない、ということは段々定着してきている話ですが、黒砂糖や黒糖にもボツリヌス菌の芽胞が含まれているので1歳未満の赤ちゃんには与えてはいけません。
他にもコーンシロップや野菜ジュースにも注意が必要となります。
消化器官が未発達であることから乳児ボツリヌス症にかかってしまうのですが、その症状は5日以上の便秘、食欲がなくなる、元気がなくなる、無表情、ヨダレが増える、首がすわらなくなるなどで呼吸困難のように重症化することもあります。
サトウキビの食べ過ぎに関するまとめ
サトウキビには中毒を起こす赤腐病に注意が必要であることがわかりました。
気づかぬ間に食べ過ぎたり、飲んだりすると嘔吐や痙攣など自分では対処できないような症状に襲われることがあります。
目視やお店の人にサトウキビが安全であるか確認することが自分の身を守ることとなります。
他には食べ過ぎはあごを痛めるということくらいで、大きな危険はありませんでした。
ただ、黒砂糖や黒糖になった時のボツリヌス菌には赤ちゃんが命を落とす可能性もあるので十分な注意が必要となります。
サトウキビにはミネラルやビタミンも多く、体にいい効果もたくさんあるので産地である観光地に足を運んだ際には是非サトウキビジュースを飲んでみてくださいね。
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