一般家庭でサザエを食べる機会は少ないですが、産地へ出向くと刺身や壺焼きなどでたくさん食べることができます。
産地のものは鮮度も良いですし歯ごたえも抜群、壺焼きの香ばしく焼き上がった香りは食欲をそそります。
しかし、サザエを食べ過ぎると排便が黒くなると言われていることをご存知ですか?
これは体の害になるものが影響で起きるものなのか不安なところでもあります。
栄養とカロリー、こちらも体に影響のあるものか調べていきましょう。
今回は『サザエの食べ過ぎで排便が黒くなる?栄養やカロリーは?』をテーマに紹介します。
サザエの食べ過ぎは排便が黒くなる?
サザエをたくさん食べると排便が黒くなると言われているのですが、これは本当のことなのでしょうか?
実はサザエを食べ過ぎると排便が黒くなるということは本当でした。
サザエでも肝の部分、蓋の付いている方ではなくて一番奥に入っているクルクルとしたところを食べ過ぎると黒くなります。
この症状はサザエだけに起きていることではありません。
ホウレンソウの食べ過ぎで便が緑色になる人、イカスミ(パスタなどで)や海苔などの海藻類の食べ過ぎで便が黒くなるという人もいます。
全てメカニズムは同じで、食べ過ぎて消化しきれないものの色素が反映されて排便が黒くなるということが起きているのです。
サザエの肝は体に害を与える?
排便が黒くなる原因であるサザエの肝、見た目がキレイと言えるわけではなく、むしろ私達の体に害を与えそうな色をしていますが、食べても大丈夫なのでしょうか?
サザエの肝の内容物は何?
サザエの肝と呼ばれている部分は内臓にあたります。
先端の巻いている部分が生殖腺でオスがクリーム色、メスは深い緑色をしています。
生殖腺の次には中腸腺と呼ばれる胃、腸、腎臓が並びます。
サザエを食べたことがある人はわかると思いますが、嫌な食感や苦味を感じる部位があります。
それが、肝の中央あたりにある紫色の年輪のように見える「砂袋」という箇所です。
肝は全て食べられますが、砂のジャリっとした感じや強い苦味が苦手な人は取り除いた方がおいしく食べられます。
それに加え、肝の部分ではありませんが、「はかま」と呼ばれるヒラヒラした部分は苦味があるので苦手な人は取り除くと良いでしょう。
サザエの肝は体に害?
二枚貝は有毒植物プランクトンの摂食による貝毒の蓄積によって食中毒が起きます。
ホタテにいたっては重金属(ヒ素、カドミウムなど)が濃縮されたものが蓄積されていることが確認されています。
サザエの肝、見た目の色では何か悪いものが含まれていそうな感じがしますが、実はサザエはこれらの貝毒の蓄積はほとんどないとされています。
二枚貝と異なり、サザエは植物プランクトンでの成長ではなく、海藻を食べて生きていることが一番の違いでしょう。
しかし、海藻食であるサザエは光線過敏症を引き起こすことがあります。
その頻度は稀で、わずかに含まれるクロロフィル分解物が原因とされています。
サザエの栄養やカロリーは?
サザエは貝類ということで、体に良い栄養もギュッとつまっているイメージがありますが、どのようなものが含まれているか、注目すべき栄養を紹介します。
サザエはタウリンを豊富に含んでいます。
ここぞという時の栄養ドリンクにも含まれている成分で有名です。
タウリンは胆汁酸の分泌を活発にし、肝機能を正常化・活発化、コレステロールの排出、小腸の蠕動運動を活発にするなどの働きがあります。
また、交感神経の抑制作用で高血圧や動脈硬化の予防も期待できます。
体のいろいろな機能を高める働きがあるので、疲労感や体の不調の緩和をしてくれるのがタウリンです。
アルギニンはアミノ酸の一種で体内でも作られている成分です。
サザエにはアルギニンが豊富に含まれていて、その含有量は魚介類の中でもトップクラスだとか。
アルギニンは成長ホルモンの合成を促進する働きがあり、筋肉や身長の成長につながります。
成長が著しい子供、怪我や体力が消耗しているときには体内でうまく合成ができないこともあるので積極的に摂りたい成分です。
また、免疫力を高める働きもあり、細菌やウイルス、癌細胞とも戦い、様々な病気の予防に期待ができます。
サザエはビタミンB12も多く含んでいます。
ビタミンB12は妊娠中に必要となる葉酸と相性が良く、共に造血作用があるので摂取の際には同じタイミングで摂ると効果的です。
また、神経細胞を正常に保つ働きがあることから、肩こりや腰痛を予防、目の疲れとそれに伴う視力低下の回復に役立ちます。
更に、睡眠と覚醒とも大きく関わっていることが報告されていて、ビタミンB12の摂取は良質の睡眠が期待できるとされています。
サザエには良質なタンパク質が豊富に含まれていて、私達の体を作り上げるのに役立っています。
タンパク質と言えば血液、筋肉、臓器、皮膚、髪、爪など私達の体の組織を構成します。
また、ホルモンや酵素、免疫物質の生成にも関わっているので、生命維持に欠かせない重要な栄養素です。
タンパク質は毎日作られているもので、分解と合成を繰り返して様々な場所に働いています。
摂取を怠ってしまうと体に不調が出てしまうので、毎日の摂取が必要です。
あまり聞きならない成分ですが、サザエにはコハク酸も含まれています。
コハク酸は貝類の旨味成分としては知られていることもあるようです。
肌のキメを整える目的で化粧品に使用されることもありますが、冷え性の予防改善やコレステロールの排出を促す働きがあるので動脈硬化の予防や高血圧の予防に期待ができます。
また、癌細胞の増殖を抑制することが確認されています。
カロリーは?
サザエのカロリーは1個あたり約16kcal、100gあたり89kcalとなっています。
濃厚な味なのにLOWカロリーととても嬉しい結果です。
これなら食べ過ぎても太る可能性はあまりないかもしれませんね。
しかし、食べ過ぎは栄養が偏ってしまうので、バランスの良い食事をこころがけましょう。
サザエの食べ過ぎに関するまとめ
サザエの食べ過ぎで排便が黒くなるのは、体に悪いことが起きているわけではなく、肝の食べ過ぎによって消化が正常に行われずに食材の色が反映されて起こるものでした。
その肝についてですが、クロロフィル分解物が原因で光線過敏症を稀に引き起こすことがあるので注意が必要です。
栄養はたっぷりで、タウリン、アルギニン、ビタミンB12、タンパク質、コハク酸などが含まれていて、生活習慣病の予防、疲労回復、成長促進、造血作用など多くの効果が得られます。
カロリーもこれだけたっぷりの栄養が含まれているにも関わらず100gあたり89kcalと低めでした。
食べ過ぎは排便時に驚いてしまいそうですが、うまく食べればダイエットが成功するかもしれないので、疎遠になっていた人も是非食べてくださいね。
コメントを残す