香りが良いことで知られるゆず酢は料理のアクセントやジュース、お酒にも使われ、口にすればさわやかな風味を感じることができます。
うまく使えば何通りも使い方があるゆず酢、風味が良いからと使っている人も意外にその栄養や効能を知らないのではないのでしょうか。
ゆず酢が好きでつい使い過ぎてしまう人も、まだゆず酢の良さに気づいていない人も栄養や効能に加え、使い過ぎの影響も覚えておきましょう。
今回は『ゆず酢の栄養や効能とは?使い過ぎても大丈夫なの?』をテーマに紹介します。
ゆず酢ってなに?
ゆず酢はお酢なのか、ポン酢の仲間なのか、知らない人は知らないですよね。
そこで、簡単に説明します。
ゆず酢は基本的にはゆずを絞った果汁100%のものを指します。
商品として売られているものや個人で作る「ゆず酢」と呼ばれているものにはいろいろな種類があるようで、ゆず果汁に塩や砂糖を加えて味を調えたものや、ゆず果汁に酢を1:1の割合で加えたものなどもあります。
これらのものはドレッシング、魚、和え物など多くの場面で使われます。
ゆずを絞った果汁を使っているので、ゆずの果肉の栄養がそのまま余すことなく摂れるのが特徴です。
ゆず酢の栄養は?
ゆずの果汁がそのまま使われているゆず酢には多くの栄養素が含まれていて、さまざまな働きをします。
ゆずはもちろん、レモンやみかんなど柑橘系の果物と言えばビタミンCですよね。
ビタミンCには皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあり、メラニン色素の生成を抑制し日焼けの予防やシミの改善と予防に役立ちます。
近年ではビタミンCの持つ抗酸化作用も注目されていて、肌や細胞の老化を防ぐことからエイジングケア、ガンや動脈硬化など病気の予防に有効であるとされているだけではなく、免疫力を上げて疲れにくい体を作るのにも役立ちます。
コラーゲン生成にも必要な成分で肌だけではなく、関節など軟骨のある部分を健康に保つ働きもあります。
柑橘系の果物や梅干しを食べた時に感じる「酸っぱい」の成分がクエン酸です。
クエン酸の代表する効果として疲労回復があげられます。
これは運動をしたときなどに疲労物質として蓄積された乳酸を分解・生成抑制することから言われていることで、この作用は筋肉痛の予防にも役立ちます。
また、血流改善の働きを持ち、動脈硬化や高血圧、心疾患、脳血管疾患など生活習慣病の予防や改善に役立つだけではなく、代謝の向上、冷え性や肩こりの予防・改善、肌のターンオーバーの正常化などさまざまなメリットがあります。
更に、クエン酸には抗酸化作用もあり、ビタミンCでも紹介したような老化や病気の予防にも有効です。
ゆずにはカリウムが含まれています。
カリウムは細胞の正常を保つために、ナトリウムと共に細胞の浸透圧のバランスをとっています。
これは、体が恒常性(一定した良い状態)を維持するために役立っています。
また、高血圧の原因となる摂り過ぎたナトリウムの排出も促すため血圧の上昇を防ぎ、高血圧の予防に期待ができます。
利尿作用もあることからむくみの予防・改善にも有効です。
他にも神経伝達、心臓や筋肉の機能調節、細胞の中の酵素反応の調節などの働きもあります。
ゆずにはアスパラギン酸やグルタミン酸などのアミノ酸が含まれています。
アミノ酸は私達の体を作るタンパク質の構成成分となっています。
アミノ酸は私達の体の中の臓器や筋肉、血液、神経伝達物質、ホルモン、酵素、抗体などを生成します。
アミノ酸は種類によって作用が異なります。
・エネルギー代謝…バリン、ロイシン、イソロイシン
・脂肪代謝促進…リジン、プロリン、アラニン、メチオニン、アルギニン
・免疫力向上…アルギニン、グルタミン
・脳機能向上…チロシン、トリプトファン
・成長を促す…アルギニン、イソロイシン、トレオニン、ヒスチジン、リジン
・美容サポート…プロリン、アルギニン、システイン
・疲労回復…アルギニン、グルタミン、アスパラギン
ゆず酢に含まれるアミノ酸で最も多いものがアスパラギン酸、次いでグルタミン酸、プロリンとなっています。
ゆず酢の摂り過ぎは大丈夫?
体に良い効果をもたらすゆず酢ですが、摂り過ぎは体に害にならないのでしょうか。
ビタミンCの摂り過ぎに注意
先程も述べている様に、ゆず酢にはビタミンCが含まれています。
一日の摂取上限量は定められていませんが、ビタミンCを摂り過ぎると下痢、吐き気、腹痛などの消化器症状を引き起こすことがあるので注意が必要です。
また、因果関係が明らかにはなっていないものの、腎不全の人がビタミンCを摂り過ぎることは持続性シュウ酸症の症例があることから注意が必要と考えられています。
ゆず酢を原液で飲まない
ゆず酢は果物の果汁ではありますが、酸性であるため刺激物とされます。
そのまま飲んでしまうと消化器官など粘膜への刺激が強すぎます。
空腹時に原液を多く使用すると胸やけや消化不良を招いてしまうこともあるので、ゆず酢は料理の時に他の食材と共に摂るか、他の飲料で割って摂ることがのぞまれます。
ゆず酢の酸で歯が溶けることってある?
ゆず酢は酸性ではありますが、歯を溶かすようなことはありません。
ゆず酢のpH値は金属イオンの結合の度合いでpH2.5~pH4.5の間で変化します。
pH5.5以下で歯が溶け出すと言われているのですが、ゆず酢のpH値を見るとpH5.5以下で歯が溶けてしまうのでは・・・?
実は私達の身の回りの食べ物や飲み物にはpH5.5以下のものが多く、レモンやコーラ、リンゴジュース、ビールなども含まれます。
これらのものを摂っていても「歯が溶けた」とはあまり聞きませんよね。
これは唾液が口腔内のpH値を中性域に保とうと作用していることからです。
ただ、唾液の作用だけに頼りすぎるだけではなく、長時間口腔内が酸性になる状態や唾液が不足する状態を作らないように心がけることも大切です。
ゆず酢を作っても捨てないで、皮や種にも栄養が!
ゆずの果汁には多くの効果があることがわかりましたが、皮や種に含まれる成分にも栄養があり、ゆずは余すことなく丸ごと使えます。
リモネンはゆずなどの柑橘類の皮に多く含まれる成分です。
香りにはリラックス効果があるだけではなく、交感神経を刺激して代謝を活発にする働きがあることから頭をスッキリさせてくれます。
代謝が活発になることで血流を改善、消化活動を促進し、これは冷え性の改善やダイエットにつながります。
また、免疫力を高めるという働きがあり癌細胞の遺伝子の働きを抑制するので癌の予防・転移や再発の予防・治療にまで役立つ成分です。
ヘスペリジンはポリフェノールの一種で、ゆずなどのかんきつ類の皮や皮を剥いた内側の白いすじに含まれる成分です。
ヘスペリジンの働きは活性酸素の除去に役立つ抗酸化作用、毛細血管を強化する働きがあり、血流の改善、高血圧の改善、コレステロール値の改善、抗アレルギー作用、骨の健康を維持などに役立ちます。
ペクチンは食物繊維の一種で柑橘類の他にはりんごなどにも含まれる成分です。
皮や種のヌルヌルとした部分がペクチン質に当たります。
ペクチンは消化管の壁に付き消化・吸収を助ける働きがあり、これは血糖値の上昇を抑制する、コレステロール値を下げるということに役立つだけではなく、腸内細菌のエサとなることで腸内環境を整えるといった働きもあります。
この整腸作用は副交感神経を優位の状態を作り、疲労回復にもつながります。
ゆず酢の使い過ぎに関するまとめ
ゆず酢はゆずの果肉を絞った果汁であり、ゆずの栄養がそのまま摂れます。
ゆず酢に含まれている栄養はビタミンC、クエン酸、カリウム、アミノ酸などが含まれていて多くの効果を得ることができます。
その効果は抗酸化作用、皮膚・粘膜・骨などを健康に保つ、疲労回復、生活習慣病の予防・改善、代謝の向上、利尿作用、免疫力の向上、脳機能の向上、成長の促進などが挙げられ、幅広く役立つ成分です。
しかし、摂り過ぎには注意が必要で消化器官に影響し、下痢や吐き気、腹痛などの消化不良を起こしてしまうこともあります。
ゆず酢は多くの効果を得ることができる食品です。
自分で作るのも良し、購入するも良し、その効果を是非手に入れてくださいね。
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