醤油の使い過ぎは体にどんな影響があるの?塩分濃度の違いも意識しよう





私達の食事に欠かせない醤油。

和食はもちろん中華料理や洋食にも使われ、料理をおいしくしてくれます。

毎日摂っている人も多いのではないのでしょうか。

皆さんは醤油の使い過ぎが体にどのような影響を及ぼすとお考えですか?

一般的な考えとして、含まれる塩分が多いことから血圧が上がると言われています。

そんなことが頭の中にあっても、お寿司を食べるときについ使い過ぎたり、お浸しや納豆に後がけするときにうっかりドボドボと使い過ぎたりしていませんか?

口にする機会が多いからこそ体にどのような影響があるのかしっかり知っておきたいですよね。

今回は『醤油の使い過ぎが体に及ぼす影響について』を調べていきたいと思います。

 

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醤油の塩分濃度は?

醤油には塩分が多く含まれることは皆さんご存知かと思います。

 

醤油の塩分濃度

  • 薄口醤油【約18~19% 大さじ1あたり2.9g】
  • 濃口醤油【約16% 大さじ1あたり2.6g】
  • 減塩醤油【(規定は)9%以下 大さじ1あたり1.4g】

※薄口醤油は塩分濃度を高めて発酵を抑えるために、濃口醤油より塩分濃度が高くなっています。

 

海水と比較するとイメージしやすいかと思いますが、海水の塩分濃度は3.5%と言われています。

比べてみると塩分濃度が高いことがわかります。

現在、私達が一日にどの程度塩分を摂取しているかと言いますと、[男性 約11.1g]、[女性 約9.4g]です。

一日の塩分摂取量の目安が[男性 8g]、[女性 7g]、[高血圧患者 6g未満]、[腎疾患患者 3~6g]となっており、食生活の変化から摂取量も多くなっています。

 

醤油の使い過ぎはどのような影響があるの?

冒頭にも述べましたが、醤油を使い過ぎるなど塩分を摂り過ぎてしまった場合には高血圧になるリスクが高まります。

実際には高血圧だけではなく他の病気のリスクも高まります。

過剰摂取による悪影響

 高血圧、動脈硬化、心血管疾患 など 

血液中のナトリウムを薄めようと水分をとりこもうとする働きが続くことで血液の量が増えます。

このことが血圧を高くする原因と考えられます。

高血圧が続くと血管が常に緊張した状態になります。

放っておくと血管が厚く、硬くなり、動脈硬化へとつながります。

心臓にも血管がつながっていて血液が流れています。

血液の量が増えることで心臓に負担をかけすぎてしまいます。

疲れた状態の心臓は心血管疾患にかかりやすくなります。

 

 腎疾患 

過剰な塩分摂取により、腎臓がろ過作業を繰り返します。

この作業が腎臓に負担をかけ、徐々に腎臓の機能を弱くしていきます。

このことから腎不全などの疾患にかかりやすくなります。

 

 骨粗鬆症、尿路結石 

余分なナトリウムは尿からカルシウムと一緒に排出されます。

尿中のナトリウム量が増えるとカルシウム量も増え、体の外に排出される分も増えるということです。

骨に必要なカルシウムが体の外に排出されれば、骨粗鬆症のリスクが高まります。

また、排出されるカルシウムが増えることで尿の通り道にカルシウムが含まれた結石ができてしまい、尿路結石を引き起こすこともあります。

 

 胃癌 

一日に10g以上の塩分を摂取している人には、胃癌のリスクが高いと言われています。

塩分を摂り過ぎることで胃の粘膜が弱ってしまい、胃炎を起こしてしまいます。

その弱った部分から胃癌の原因の一つと考えられるヘリコバクター・ピロリ菌に感染するリスクが高まります。

 

極めて稀な醤油の摂り過ぎで起きた病気

実際にアメリカで起きた話です。

19歳の少年が1ℓの醤油を一気飲みした結果、発症した「高ナトリウム血症」。

直後から体の震え→昏睡状態→3日後に意識は回復、体内から160~170gのナトリウムが出てきたそうです。

「醤油の塩分濃度は?」で紹介した大さじ1の塩分量1.4~2.9gと比べると、どれだけ凄い量かということがよくわかります。

[高ナトリウム血症]

塩分を摂取しすぎなど何らかの原因で体内の水分調整がうまくいかず、血液中のナトリウム濃度が高くなってしまい起こります。

通常のナトリウムの基準値が135~145mEq/lのところ、146mEq/l以上となることです。

症状は他に「喉が渇く・血圧が上がる・むくみ」、症状の進行で「錯乱・神経筋の興奮・痙攣・クモ膜下出血を伴う脳疾患 などで死亡」これらの症状が現れます。

 

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醤油にも嬉しい効果はある?

普段口にすることが多いのでリスクばかりではなく、嬉しいことも知っておきたいですよね。

消臭効果

刺身をおいしく食べるためにつけられますが、単に味つけだけで使われているわけではありません。

生臭さを消すという働きをしてくれています。

「醤油洗い」というものがあります。

料理の下ごしらえで魚介類や肉の臭みを取り、下味をつけるために行うものです。(材料に醤油をかけてから余分な水分を切る。魚介類や肉だけではなく、野菜でお浸しなどを作るときにも用いられる。)

 

静菌(抑菌)効果

含まれるアルコールや塩分、有機酸が菌の増殖を防ぐ、死滅させる働きを持ちます。

佃煮などの日持ちが長いのはこの働きがあるからです。

 

相乗効果

醤油に含まれる成分の一つグルタミン酸と鰹節に含まれるイノシン酸が一緒に効果を発揮することで深いうまみを生み出してくれます。

めんつゆ、天つゆなどはこの相乗効果の例と言えます。

 

対比効果

甘い煮豆を作った時の仕上げに少しの醤油をたらすことで甘みが更に引き立ちます。

強い味(甘い煮豆)とわずかな味(少しの醤油)がある場合、主体の味を強く感じることが対比効果です。

おしるこや砂糖味の卵焼きにひとつまみほどの塩を入れることが知られていますが、対比効果を得るためです。

 

 

醤油を使い過ぎないために

外食の機会が増えたり、簡単に加工食品を使って食事を済ませたりすることで、塩分摂取量が増えます。

そこで、自炊をおすすめします。

① だし、素材のうまみを上手に活かして薄味で調理をすることで醤油や塩分を含む調味料の使用量を減らすことができます。

 

② 他には加工食品、調味料を減塩タイプに変えることです。

現在では減塩タイプの調味料もケチャップやソースまで販売されています。

年々クオリティも上がってきているので、少ない塩分でおいしく食べることができます。

 

③ 醤油を後がけする場合には、味を確かめてからにしましょう。

焼き魚などに醤油を使う人も多いと思います。

思いの外、魚に塩気がきいていて確認せずに使って辛くなってしまった、なんてことも起きかねません。

ですので、魚でなくても後がけをするときには確認をしましょう。

④ 麺類のつゆは残すようにします。

うどんもラーメンもつゆまで全部飲んでしまうという人もいると思います。

全部飲んでしまうと、やはり塩分摂取量が気になってしまいます。

つゆは飲みきらず、残すことで一杯2~3g減塩することができます。

 

 

醤油の使い過ぎについてのまとめ

醤油の塩分濃度が普段使うもので約16~19%、減塩で約9%以下、大さじ1あたり約1.4~2.9g含まれていること、一日の塩分摂取量の目安を見てみると食事の際に使う量を注意しなければならないということがわかりました。

醤油には塩分が多く含まれていることから使い過ぎることで高血圧や腎疾患などのリスクが生じ、大きな病気に繋がっていく可能性もあります。

何気なく使っていた分、これからは減塩の方法を考えて醤油とうまく付き合っていきたいものですね。

ただ悪いことばかりではなく、醤油にはうまみを増したり、臭みを消したりと意外に知られていない嬉しい効果があることもわかりました。

使い過ぎには十分注意しておいしく食事をいただきましょう。

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