お菓子やパンは定番ですが、サラダなどの料理にも使われる「くるみ」。
主役という感じではないですが、お菓子と料理のどちらに使っても歯ごたえや苦みがアクセントになってクセになりますよね。
おつまみやお菓子などで食べるときは片手で口に運べてしまうことからつい食べ過ぎてしまうなんてことはありませんか?
その食べ過ぎには注意が必要で、「認知症になりやすい」との噂があります。
では、一日の摂取量はどの程度までなら大丈夫なの?とはっきりさせておきたいですよね。
今回は『くるみの食べ過ぎと認知症の関係、一日の摂取量の上限』について紹介します。
くるみの食べ過ぎと認知症の関係
「くるみの食べ過ぎは認知症になりやすい?」
結論から先に述べますと、違います、そのようなことはありません。
むしろ、くるみは認知症の予防、緩和、抑制の可能性があるということが言われているのです。
くるみには脳の健康に良いとされる成分や脳の機能を正常化させたり向上させたりする成分が含まれています。
では、どの成分が何に効果的なのかを見ていきましょう。
脳細胞の損傷を緩和する
アルツハイマー型認知症になる原因の中にアミロイドβタンパク(タンパク質の一種)による酸化ストレスから脳細胞が傷付けられると言われています。
くるみには抗酸化作用のある成分が多く含まれ、抗酸化作用が体の酸化を予防し、アミロイドβタンパクが蓄積されることを抑えます。
皆さんもよく知っているビタミンE、ポリフェノール類、カロテノイド類の他にトリプトファンというアミノ酸が抗酸化作用を発揮します。
トリプトファンについては体内でセロトニンという神経伝達物質に変換され、その後メラトニンという脳内ホルモンへと変換され、このメラトニンこそが強力な抗酸化作用を持っていて脳内へ直接働きかけ、アミロイドβタンパクの酸化ストレスを軽減してくれるのです。
メラトニンの働きが認知症の予防と症状の進行を遅らせるということに期待ができます。
コレステロールを減少させて認知症を予防
アルツハイマー型認知症の他にも血管性認知症というものがあり、脳の血管が詰まる・出血するなどの異常が原因で脳細胞が傷付けられると言われています。
脳や体の血管が詰まる・出血するなどの症状が起きるのは悪玉コレステロールが原因です。
くるみには悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増加し、血流を改善するαリノレン酸が含まれています。
αリノレン酸が脳の血管へのダメージを軽減することから血管性認知症の発症の予防につながります。
DHA・EPAが認知症を予防
脳に良いとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は積極的に摂りたい成分です。
先程紹介したαリノレン酸を摂ると体内でDHA、EPAに変換されます。
DHAは脳のニューロンというところで神経細胞を活性化し、学習能力・記憶力が向上すると言われています。
現在、まだ研究段階で傷付いた脳細胞を修復すると断言はできないのですが、研究は進められていて傷付いた脳細胞を修復し、脳細胞の発育を促進することが期待されています。
DHAとEPAは共に悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増加し血流を改善、中性脂肪も低下させることから血管性認知症を予防に期待ができます。
また、脳神経細胞膜の機能を高める効果があり、脳への情報伝達成分がスムーズになることからアルツハイマー型認知症の予防にも期待されています。
くるみの食べ過ぎで起こる悪影響
脳への良い効果が期待できることはわかりましたが、くるみを食べ過ぎると体にどのような影響があるかをみていきましょう。
ダイエット効果もあると言われていますが、やはり食べ過ぎはよくありません。
というのもくるみのカロリーは100gあたり674kcalもあり、一回分の食事程のカロリーにあたってしまいます。
くるみには食物繊維が多く含まれています。
適量であれば当然腸内環境を良くしてくれるのですが、食べ過ぎることで悪化してしまいます。
食物繊維の消化には時間がかかるのですが、食べ過ぎると消化に長い時間がかかってしまいます。
こうなるとお腹の中に便が溜まってしまい、便秘を招いてしまうのです。
また、くるみに含まれる食物繊維が不溶性であることから腸のぜん動運動が激しくなり、吸収されるべき水分がうまく吸収されず消化不良が起きてしまうことから下痢になってしまうことがあります。
先程紹介した「αリノレン酸」、適量を摂取すれば良い効果が得られるのですが、摂り過ぎてしまうことで過酸化脂質となってしまいます。
αリノレン酸は非常に酸化しやすい成分なのです。
酸化と言えば、肌の老化。
私達を悩ますシミ、シワ、くすみ、たるみなどの原因となってしまいます。
また、過酸化脂質は血管壁にくっついて血流が悪くなってしまいます。
動脈硬化へとつながる可能性もあるので注意が必要です。
ですが、適量を摂取すれば美肌・アンチエイジングが期待でき、血栓予防・血流改善の効果が期待できるので、食べる量には十分に注意してください。
くるみの適量は一日に7~8個(40g程)と言われています。
認知症以外にもたくさん!クルミの効果
くるみにはビタミン、ミネラル、食物繊維、不飽和脂肪酸など、たくさんの栄養素が含まれています。
認知症以外にもさまざまな効果に期待ができます。
ポリフェノール、ビタミンE、オメガ3脂肪酸などの抗酸化作用のある成分がふくまれています。
血液をキレイにする働き、血流改善も期待できることから老化防止、美肌、アンチエイジングなど肌にも髪にも嬉しい美容効果が期待できます。
αリノレン酸が血流改善に効果があると何度も述べてきていますが、他の効果として血管の弾力を高めるということもあり、冷え性の緩和、改善が期待できます。
先程も触れましたが、くるみには食物繊維(不溶性食物繊維)が多く含まれています。
また脂質も多く含まれていることから便の排泄がスムーズに行える効果があります。
ぜん動運動が活発になることから便秘解消に期待ができます。
くるみの食べ過ぎに関するまとめ
冒頭での「くるみの食べ過ぎは認知症になりやすい」ということに関しては、全く逆の結果が得られました。
くるみは食べると含まれる成分から脳を活性化し、血流改善が得られることから「認知症の予防に期待ができる」ということがわかりました。
認知症に有効とされる成分
- αリノレン酸
- DHA
- EPA
一日の適量7~8個(40g程)を守って食べれば抗酸化作用、生活習慣病の予防、冷え性の改善、便秘解消、などの効果も得られます。
カロリー過多など体に悪影響が出ないように食べ過ぎには十分注意したいものですね。
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