皆さんはナツメグを使ったことがありますか?
肉の臭みを消す効果があるとしてハンバーグなどを作る時によく使われるスパイスです。
使わなくても仕上げることはできますが、使うとコクが増し、香り良く仕上げることができます。
しかし、使い過ぎはおいしくなくなってしまいます。
それどころか体に危険な影響が出るとも言われているのです。
子供が好きな料理に使うこともあるので十分に注意して、代用品があればそれでおぎないたいところです。
そこで今回は『ナツメグの使い過ぎは危険なの?使い方や代用品を考えてみよう』をテーマに紹介します。
ナツメグって何?
冒頭で肉の臭みを消すと簡単に説明はしていますが、そもそもナツメグってどのようなものなのでしょう。
ナツメグは常緑樹であるニクズクという植物の種子の仁(種子の核)で、乾燥したものをスパイスミルやおろし金で挽いてパウダー状にしたものがよく使われます。
ナツメグの香りはほのかに甘いですが、味自体に甘みはなく若干の苦みがあります。
加熱することでこの苦みは弱くなり、香りが引き立ちます。
肉料理の臭みを消すだけではなく、乳製品を使った料理やドリンクの乳臭さを消す働きもあり、相性が良いとされています。
ナツメグの使い過ぎは危険なの?
さまざまな料理のうまみを引き立ててくれるナツメグですが、使い過ぎは危険と言われています。
どんな症状が現れる?
ナツメグの使い過ぎには毒性があり、副作用の可能性があります。
- 消化器症状 ・・・下痢、吐き気、嘔吐、肝機能障害など
- 脳、脊椎、神経系症状・・・頭痛、眩暈、難聴、痺れ、意識障害、動悸など
- マリファナと同様の症状・・・記憶・学習・思考の困難、緊張の緩和、高揚感、幻覚症状、躁鬱・パニックなどの精神症状など
- 死亡・・・稀なことではあるが、死亡事故は2例あり
症状の例を上げましたが、重い症状のものが多く見られるので過剰摂取には注意が必要となります。
原因となる成分は?
これらの症状をもたらす原因となる成分はナツメグに含まれる「ミリスチシン」と「エレミシン」です。
生のナツメグの過剰摂取で中毒症状が現れるとされていますが、スーパーなどで購入できる乾燥ナツメグパウダーの過剰摂取でも上記副作用が現れるので過剰摂取は絶対にやめましょう。
ちなみに誤ってパウダーがドバっと入ってしまった場合にももったいないですが、食べることはやめましょう。
また、妊娠中の摂取にも注意が必要となります。
これはナツメグには通経作用があるからで、少量の摂取であれば問題はないとされていますが、念のために避けておいた方がよいでしょう。
一度の摂取上限は?
ここでの過剰摂取とは一度の使用が10gを超えることで、少量の使用では特に問題はありません。
問題のない使い方として肉100gに対し0.2gを目安とすることをおすすめします。
冒頭でも少し触れましたが、使い過ぎは副作用もありますが料理の味を落としてしまうこととなります。
少量で臭み消しや風味を増す効果は得られるので入れ過ぎには注意しましょう。
先に述べた死亡事故について、8歳の男の子がナツメグ2個を摂取し24時間後に死亡、成人がフルニトラゼパム(ロヒプノールなどの眠剤)との併用で死亡と2件の事例があり、致死量はナツメグ2個(約10g)とされています。
ナツメグの使い方
ナツメグの使い方として一般的に知られているものが、ハンバーグ、ミートボール、ロールキャベツなどのひき肉料理など肉の臭みを消す効果があるとして使われています。
ひき肉(タネの状態)に加えるときのポイントとして「他の調味料を加える前にナツメグを入れること」、この工程を経ることで肉の臭みを抑えることができます。
また、混ぜ合わせると旨味が出ておいしく仕上がります。
実はあまり知られていませんが、野菜の臭みを消すために使われることもあり、野菜スープなどに使えば野菜の臭みを消すためだけではなく、甘みを引き立てる効果も得られるのでいつもと違った味わいが楽しめます。
シチューやスープ、チョコレートドリンクやミルクティーなどの牛乳や乳製品を使うもののタンパク臭を消すのにもナツメグは役立ちます。
ナツメグのほのかな甘い香りは乳製品との相性が良いだけではなく、クッキーのスパイスとしても使われることがあります。
ナツメグの代用品は?
ナツメグは一度に使う量も少ないためストックしていない家庭もあったり、毒性の事を考えるとちょっと・・という人もいたりすると思います。
そんな人のためにナツメグの代用品となるものを考えて見ましょう。
ナツメグがひき肉料理に使われる理由は「臭み消し」と「香りづけ」です。
- ハンバーグなどの肉料理…オールスパイス、ブラックペッパー、ローズマリーなど
- お菓子やドリンク…バニラエッセンス、シナモンなど
以上がおすすめですが、臭みを消すという点を重視すると生姜やニンニクなどもあげられますが、味が大幅に変わります。
他にもクローブやバジル、ローリエなどがあげられますが、ナツメグと同様に過剰摂取をすることで何らかの影響が出る可能性もあり、注意が必要となります。
ナツメグの使い過ぎに関するまとめ
ナツメグの使い過ぎは大変危険であることがわかりました。
ナツメグの過剰摂取は含まれる成分ミリスチシンとエレミシンにより、消化器症状、神経系症状、幻覚症状などが現れ、稀ではありますが死亡事例もあります。
致死量は約10gとされており、一度の使用量は肉100gに対し0.2gを目安に使うようにしましょう。
低量であれば肉料理、野菜料理、牛乳を使う料理やドリンクなどの仕上がりを良くしてくれます。
代用品としておすすめのものはオールスパイス、ブラックペッパー、ローズマリー、バニラエッセンス、シナモンなどを用途に合わせて使うことをおすすめします。
繰り返しますが、ナツメグの使い過ぎは大変危険です。
誤って大量に入ってしまった場合でも過剰摂取は避けるようにしましょう。
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