天ぷらに煮穴子、お寿司といろいろな食べ方がある穴子はふっくらとした身、甘みのある脂、一口頬張ればとろとろと柔らかいことが魅力です。
うなぎよりもあっさりと食べられることから好きな人も多いのではないでしょうか。
アナゴは栄養価も高く、含まれる成分も必見です。
ですが、食べ過ぎは禁物です。
好きだからと言って食べ過ぎることは病気につながる可能性があるかもしれません。
カロリーや含まれる成分は体に影響はないのでしょうか。
今回は『穴子の食べ過ぎで起きる病気と栄養成分について』を紹介します。
穴子の食べ過ぎは病気になりやすい?
穴子を食べて特別悪い病気になるということはありませんが、注意すべきことはカロリーです。
穴子の100gあたりのカロリーは161kcalで、これだけの数字を見ればさほど高くないと感じるでしょうが、1尾(可食部227gと考える)あたりのカロリーは365kcalと高いと言えるでしょう。
煮穴子も天ぷらも1尾はラクに食べられてしまいませんか?
1尾でも高いカロリーの穴子を1尾以上食べるとカロリー過多となってしまいます。
カロリー過多が体重を増やし、生活習慣病を生み出してしまうのです。
生活習慣病と言えば肥満、高血圧、脂質異常症(高脂血症、高コレステロール血症など)などで三大死因の疾病と深く関係があります。
食べ過ぎには十分に注意しましょう。
穴子のコレステロールは大丈夫?
穴子にはコレステロールが多く含まれていて100gあたり140㎎、1尾(可食部227gと考える)あたり318㎎です。
参考までに、穴子とよく似ているうなぎにもコレステロールが含まれていて100gあたり230㎎、コレステロールが多いと言われている卵1個50gに含まれている量は210㎎と穴子よりも多く含まれています。
では、コレステロールを多く含む食品を食べると血液中のコレステロールが上がってしまうのでしょうか?
血液中のコレステロールは食べる食品が全て反映されるわけではありません。
コレステロールは体内の肝臓でも作られていてその量は全体の7割、食品からの摂取は3割で毎日食べるなど過剰摂取をしない限り、血液中のコレステロールが上昇することは少ないと言えるでしょう。
それどころか穴子には血中脂質のバランスを整える多価不飽和脂肪酸のEPAとDHAが含まれています。
EPAとDHAは血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化の予防に期待ができる他、生活習慣病の予防にも働きます。
穴子に毒がある?
フグに毒があることは有名な話ですが、実は穴子にも毒があるのをご存知でしたか?
フグ毒のテトロドトキシンほどの神経毒ではありませんが健康に被害が及ぶ毒性です。
穴子の血清に含まれる毒はうなぎやうつぼ、ハモなどのうなぎ目の魚類に含まれています。
その毒の名は「イクシオヘモトキシン」、その作用は口から入ると下痢や嘔吐、チアノーゼ、不整脈、重篤な症状で呼吸困難などから死に至ることもあります。
目から入ると結膜炎、傷口に入っても炎症を起こしてしまいます。
その致死量は1000mlとされているので、通常では摂ることの方が難しいと言えるでしょう。
毒を取り除くことはできる?
穴子の毒イクシオヘモトキシンは血清に含まれています。
タンパク質であるため加熱処理60.5℃で5分の加熱をすることで失活し、その毒を失活させます。
天ぷらや焼き穴子など加熱調理がされている穴子は安全に食べることができます。
生食ということがあまりされていないのですが血清に含まれているということで、生食する場合は完全に血抜きをするなど時間のかかる下処理をする必要があります。
皮のぬめりにも毒が含まれているのでぬめりもしっかりと除去をする必要があります。
ぬめりには酢を使うと除去しやすくなります。
実際には日本でイクシオヘモトキシンの中毒症状の発生記録はないとされていますが、調理には十分に注意しましょう。
穴子を食べてアレルギーが出る?
あまり知られておらず、まれなことかもしれませんが、穴子を食べてアレルギー症状を引き起こすこともあります。
その症状は口や喉の痒みや腫れ・痛み、腹痛や下痢、嘔吐、目の充血や瞼の腫れ、蕁麻疹などがあげられます。
原因とされる物質は穴子に含まれるパルブアルブミンと呼ばれるものです。
パルブアルブミンはほとんどの魚に含まれているので、穴子でアレルギー症状が出た人はいろいろな魚でアレルギーを引き起こす可能性があります。
パルブアルブミンを多く含む魚は他に鮭、まぐろ、いわし、かれい、あじ、鯛、たら、ぶり、鯖などがあり、私達が普段口にする機会が多い魚ばかりです。
症状が見られた場合は食べることを止め、早めの受診をおすすめします。
穴子に含まれる栄養成分は?
先程穴子にはDHAやEPAが含まれていると述べましたが、他の栄養成分も紹介していきます。
ビタミンAを豊富に含む穴子は一日に必要なビタミンAの量の7割を1尾で摂ることができます。
その効果は目や皮膚、粘膜を健康に維持するものとされています。
肌へは潤いを与え、抗酸化作用も持つことから肌や細胞の老化を防ぎ、目には網膜機能の活性化、眼精疲労や夜盲症を防ぐ働きがあります。
粘膜を強くしたり、免疫細胞を活発化したりすることから風邪の予防にも期待ができます。
若返りのビタミンと呼ばれているビタミンEも抗酸化作用を持ち、肌や細胞、血管の老化を防ぎ、活性酸素の除去などに働くことから老化の予防に期待ができます。
血流改善の効果もあり、冷え性やそれに伴う肩こり、頭痛の予防・改善の効果に役立ちます。
更に血液をサラサラにする作用もあるため動脈硬化による生活習慣病の予防にも期待ができます。
穴子にはビタミンB12が多く含まれています。
意外と知られていないことですが、ビタミンB12には造血を助ける作用があります。
赤血球と結合し、酸素を体中に運ぶヘモグロビンの合成を助けています。
不足することで起きる症状は悪性貧血で下痢や倦怠感、食欲不振などが見られます。
また、神経機能を正常に保つ効果と睡眠を促す働きもあります。
あまり聞きなれませんがセレンとはミネラルの一種で、穴子には豊富に含まれています。
セレンの働きはビタミンAやEと同じく抗酸化作用があり、しかもその作用は強力とされています。
穴子に含まれるビタミンA、Eと共に働いて錆びない体づくりに役立つ他、免疫機能を高めて癌を抑制すると言われているので注目の成分でもあります。
また、有害金属(水銀、ヒ素、鉛など)の毒性を軽減させる作用があります。
ちなみに有害金属が体内に蓄積されていると活性酸素の産出につながるので体外への排出が大切になります。
穴子の食べ過ぎに関するまとめ
穴子を食べ過ぎて特に大きな病気になるということはありませんでしたが、カロリーが高いということから食べ過ぎると肥満、生活習慣病へとつながる可能性があります。
食べ過ぎに関わらず、穴子の血清にはイクシオヘモトキシンという毒が含まれているので生食をすることがあれば時間をかけて丁寧に血抜きをし、皮のぬめりにも毒があるのでぬめりの除去をするなどの下処理が必要となります。
また、ほとんどの魚が持つアレルゲンであるパルブアルブミンも含まれているのでアレルギーへの注意も必要です。
穴子は栄養価が高いということが知られていますが、特化として抗酸化作用があげられます。
今回紹介したビタミンA、E、セレンの働きでアンチエイジングに期待ができる他、生活習慣病の予防にも役立ちます。
カロリー過多と毒には注意が必要ですが、健康維持に一役買ってくれる優れた魚なので積極的に食べたいですね。
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